
「薬を飲んでいるのに症状が残っている」「検査では大きな異常がないと言われたのに、会陰部の違和感が続く」「頻尿や残尿感が気になって仕事に集中できない」——。
慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)は、会陰部や下腹部の痛み・不快感、排尿に関する症状などが長期間続き、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
今回は、慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群とはどのような状態なのか、病院での診断・治療と鍼灸をどのように考えればよいのかをご紹介します。
こんな症状が続いていませんか?
- 会陰部に痛みや重だるさがある
- 下腹部や鼠径部に違和感がある
- 頻尿や残尿感が気になる
- 排尿時に痛みや不快感がある
- 座っていると会陰部がつらくなる
- 病院で非細菌性前立腺炎と言われた
- 検査では大きな異常がないが症状が続いている
こうした症状は慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群でみられることがありますが、別の泌尿器疾患でも起こる可能性があります。
自己判断せず、まず泌尿器科などの医療機関で原因を確認することが大切です。
「慢性前立腺炎」といっても一つではありません
慢性前立腺炎には細菌感染が関係するものだけでなく、明らかな細菌感染が確認できない慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)があります。
CP/CPPSでは、痛みや排尿症状の背景に複数の要因が関係していると考えられており、すべての患者さんに同じ治療が適しているわけではありません。
そのため、症状の出方や経過を確認しながら、医療機関で適切な診断と治療を受けることが基本になります。
慢性前立腺炎に鍼灸という選択肢
慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群に対する鍼治療については、近年、臨床研究も行われています。
2025年に公表された米国泌尿器科学会(AUA)の男性慢性骨盤痛に関するガイドラインでも、鍼治療に関するランダム化比較試験やメタ解析が検討されており、CP/CPPSの症状改善に対する治療選択肢の一つとして取り上げられています。
ただし、鍼灸だけですべての慢性前立腺炎を治療できるという意味ではありません。
細菌感染がある場合など、医学的な治療が必要なケースがありますので、当院でも病院での診断・治療を大切にしています。
朱錫龍院長が中国で取り組んできた専門領域
中国鍼灸・健身院の院長・朱錫龍は、上海中医薬大学を卒業後、中国の大学附属病院で主治医として臨床に携わり、泌尿器・生殖器領域の専門治療に取り組んできました。
慢性前立腺炎は、朱院長が中国での勤務時代から長年取り組んできた症状の一つです。
現在も、その臨床経験と中医学の考え方をもとに、慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群の患者さんの状態を確認しながら施術を行っています。
当院の施術で重視していること
同じ「慢性前立腺炎」という診断であっても、症状の場所や強さ、発症からの期間、排尿状態、体質などは一人ひとり異なります。
- 会陰部・下腹部など症状が現れている場所を確認する
- 頻尿・残尿感など排尿に関する状態を確認する
- 発症から現在までの経過を確認する
- 病院での診断内容や治療状況を確認する
- 冷え、疲労、睡眠など全身状態も確認する
- 状態に合わせて使用するツボ、鍼の位置・深さ・方向・刺激量を調整する
画一的な施術ではなく、その日の状態も確認しながら施術内容を調整することを大切にしています。
このような場合は、まず医療機関へ
排尿に関する症状や骨盤周囲の痛みには、慢性前立腺炎以外の病気が隠れていることがあります。
- 発熱や悪寒を伴う
- 突然、強い痛みが現れた
- 尿が出にくい、または出ない
- 血尿がみられる
- 症状が急激に悪化した
このような場合は鍼灸で様子を見るのではなく、速やかに泌尿器科などの医療機関を受診してください。
病院で治療中の方もご相談ください
中国鍼灸・健身院では、病院での治療を中止して鍼灸に切り替えることを勧めているわけではありません。
現在の診断内容や治療状況を確認しながら、長く続く症状に対する選択肢の一つとして鍼灸をご提案します。
執筆:院長 朱錫龍