当院の鍼治療の特徴
中国医学の理論と長年の臨床経験を基礎に、
一人ひとりの症状や身体の状態に合わせて施術を行います。

中国医学の理論と
臨床経験を活かした鍼治療
当院では、中国医学の理論と長年の臨床経験を基礎としながら、平衡鍼灸学などの考え方も取り入れて施術を行っています。 症状や身体の状態を確認し、必要に応じて医療機関での診断や治療内容も参考にしながら、一人ひとりに合わせて施術方針を組み立てます。

症状に応じた電気鍼の活用
症状や施術部位に応じて、鍼に低周波の電気パルスを加える電気鍼を用いることがあります。 電気鍼については、症状や目的によってその有用性を検討した国内外の臨床研究も報告されています。 当院では、身体の状態を確認しながら刺激量を調整して使用します。
顔面けいれんなど一部の症状では、原則として電気パルスを使用せず、手技による鍼施術を行います。

症状に応じて中国鍼を使用
当院では、症状に応じて中国鍼を使用し、中国鍼灸で重視される「得気」と呼ばれる鍼特有の感覚を大切にしています。 日本で一般的に使用される鍼より太めの鍼を用いる場合もあり、重く響くような鍼感を感じることがあります。 使用する鍼はすべて使い捨てです。
当院の施術の考え方
中国医学の考え方をもとに、
身体が本来持つ力を大切にする鍼灸治療
中国医学では、身体を「気」「血」「水」などの働きや経絡の状態から捉え、それらのバランスが健康状態に関係すると考えます。
鍼灸では、経絡上にある経穴(ツボ)へ鍼や灸による刺激を行い、症状のある部分だけではなく、身体全体の状態をみながら施術を組み立てます。
当院では、こうした中国医学の考え方に加えて、症状や既往歴、医療機関での診断・治療内容なども確認しながら、一人ひとりに合わせて施術方針を決めています。
顔面神経麻痺・顔面けいれんなど
神経症状への鍼治療
当院では、顔面神経麻痺、顔面けいれん、三叉神経痛、動眼神経麻痺など、顔や神経に関係する症状の鍼灸治療にも力を入れています。
顔面神経麻痺では、ベル麻痺・ラムゼイハント症候群などの病院での診断・治療を大切にしながら、発症時期や麻痺の程度、表情筋の状態に合わせて施術します。 顔面けいれんについても、病院での診断・治療を尊重しながら、症状の出方や筋緊張などを確認して施術方針を組み立てます。
施術で用いる方法
症状や身体の状態に応じて、
鍼・灸・吸い玉などを組み合わせて施術します。
鍼
当院では、太さ0.2㎜~0.35㎜の鍼を使用しています。 病院での採血用の針0.7㎜~0.9㎜と比較すると、かなり細いものです。
すべての鍼は使い捨てですので、衛生面に配慮して施術を行っています。 中国鍼灸では、鍼をした際に重い、響く、だるいなどと感じる「得気」を重視することがありますが、使用する鍼や刺激量は症状や状態に合わせて調整します。
「鍼は痛い、怖い」というイメージをお持ちの方も、ご不安な点などがあれば施術前にご遠慮なくご相談ください。
灸
灸にはさまざまな種類があり、「熱い」と感じるものから「ほんのりと温かい」ものまで、症状や体調に応じて使い分けます。
中国医学では、経脈を温め寒を散らす「温経散寒」という考え方があり、身体の冷えなどが関係すると考えられる状態に灸を用いることがあります。 当院では必要に応じて鍼と組み合わせ、お灸の跡が残らないよう配慮しながら施術します。
ご不明な点がありましたら遠慮なくご質問ください。
吸い玉
吸い玉(カッピング)は、中国で古くから用いられてきた伝統的な施術法のひとつです。 カップ内を陰圧にして皮膚を吸引する方法で、中国医学では気血の巡りを整える目的などで用いられてきました。 当院では身体の状態に応じて、鍼灸と組み合わせて使用します。
吸い玉の施術後は、一時的に皮膚に赤みや跡が残ることがあります。
中国鍼灸の歴史とその魅力
長い歴史の中で受け継がれ、
時代とともに発展してきた中国鍼灸
時代を超え受け継がれてきた中国鍼灸
中国鍼灸は、古代中国で生まれ、数千年にわたって受け継がれてきた伝統的な医療技術です。 人体に存在する経穴(ツボ)に鍼を刺したり、灸による温熱刺激を加えたりすることで、身体の状態を整えることを目的として発展してきました。
中国医学では、身体の一部分だけを見るのではなく、「気」「血」「水」や経絡、陰陽などの考え方をもとに身体全体の状態を捉えます。 長い年月の中で臨床経験が蓄積され、さまざまな流派や技法が生まれ、現代では科学的な研究も行われています。 伝統を受け継ぎながら時代とともに発展してきたことも、中国鍼灸の特徴のひとつです。
古代の知恵と鍼灸の体系化
中国鍼灸の歴史を考えるうえで欠かすことのできない古典のひとつが『黄帝内経(こうていだいけい)』です。 古代中国医学の基礎となった医学書で、身体を全体として捉える考え方や、陰陽・経絡・経穴など、その後の中国医学に大きな影響を与えた理論が記されています。
中国医学では、身体の中を「気」や「血」が巡り、その通り道を「経絡」として捉えてきました。 こうした身体観や臨床経験が長い年月をかけて整理され、後世の医家によって検討・発展させられたことが、現在につながる鍼灸医学の基礎となっています。
隋・唐から宋、明へ- 鍼灸医学の発展 -
中国の長い歴史の中で、鍼灸はさまざまな時代の医家によって研究され、発展してきました。 隋・唐の時代には医学の体系化が進み、鍼灸も重要な治療技術のひとつとして用いられていました。
唐代を代表する医家のひとりである孫思邈(そんしばく)は、『備急千金要方(びきゅうせんきんようほう)』などを著し、薬物療法だけでなく鍼灸や養生など幅広い医学知識をまとめました。
宋代には、王惟一(おういいつ)が11世紀に『銅人腧穴針灸図経(どうじんしゅけつしんきゅうずけい)』を編纂し、経絡や経穴の位置などを体系的に整理しました。 経穴の位置を示した人体模型「銅人」も作られ、鍼灸教育に利用されたと伝えられています。
この時代には『針灸資生経(しんきゅうしせいけい)』や、大規模な医学書『聖済総録(せいざいそうろく)』なども編纂され、鍼灸に関する知識がさらに整理されていきました。
明代には、楊継洲(ようけいしゅう)による『鍼灸大成(しんきゅうたいせい)』が編纂されました。 このように中国鍼灸は、一人の医師や一つの時代によって完成したものではなく、数多くの医家が先人の知識と臨床経験を受け継ぎながら発展させてきました。
近代から現代へ- 世界に広がった鍼灸 -
近代以降、鍼灸は中国や日本をはじめとする東アジアだけでなく、欧米を含む世界各地へと広がっていきました。 特に20世紀後半以降は、西洋諸国でも鍼灸への関心が高まり、さまざまな症状や目的について臨床研究が行われるようになりました。
現在では、伝統的な経絡・経穴の考え方を大切にする一方で、神経、筋肉、血流など現代医学的な観点から鍼刺激を調べる研究も行われています。 国や地域によって鍼灸の位置づけや資格制度は異なりますが、伝統的な知識と現代の研究の双方から鍼灸を捉えようとする取り組みが続いています。
中国鍼灸の魅力と、
当院が大切にしていること
中国鍼灸の大きな特徴のひとつは、症状が現れている部分だけを見るのではなく、身体全体の状態を考えながら施術を組み立てることです。 同じ症状であっても、発症からの期間、症状の程度、体質、年齢、生活環境などによって身体の状態は一人ひとり異なります。
そのため、一つの症状に対して一律に同じ経穴を使用するのではなく、その人の状態を確認しながら使用する経穴や刺激方法を選択します。 当院でも、中国医学の理論と長年の臨床経験を大切にしながら、身体全体の状態を確認したうえで施術方針を組み立てています。
また、必要な場合には病院での検査や診断、治療内容も確認し、現代医学による診療を尊重しながら鍼灸を行います。 数千年にわたって受け継がれてきた中国鍼灸の知識と技術を、現代の医療や研究とも向き合いながら臨床に生かしていくこと。 それが当院が大切にしている治療姿勢です。





