長引く下腹部痛・違和感に中医鍼灸
「下腹部の鈍痛や違和感が長く続いている」「婦人科でPIDの治療を受けた後も骨盤まわりがすっきりしない」「月経に伴って下腹部の痛みが強くなる」――このようなお悩みはありませんか。
骨盤内炎症性疾患(PID)は、子宮、卵管、卵巣など上部生殖器に感染・炎症が起こる疾患です。活動性のPIDでは抗菌薬による治療が基本であり、鍼灸が感染治療の代わりになることはありません。
一方、PIDの治療後にも下腹部痛や骨盤周囲の痛みが長く残ることがあります。また、症状が続いている場合には、感染の再燃だけでなく、子宮内膜症など他の原因を確認することも重要です。
中国鍼灸・健身院では、婦人科で必要な検査・抗菌薬治療を受けていることを前提に、治療後に残る下腹部の鈍痛、腰仙部の痛み、冷え、月経に伴う不調などを確認し、中医鍼灸を補完的に行います。
中医学では、「清熱利湿」「行気活血」「化瘀止痛」などの考え方を用い、一人ひとりの症状と体質に合わせて施術方針を立てます。

このようなお悩みはありませんか?
- 長引く下腹部の鈍痛や違和感がある
- PIDの治療後も骨盤まわりの痛みが残っている
- 腰や仙骨周辺にも重だるさがある
- 月経前後に下腹部の不快感が強くなる
- 下腹部や腰の冷えが気になる
- 婦人科で治療を受けたが症状が長引いている
- 慢性的な骨盤痛で日常生活に支障がある
- 病院治療と鍼灸を併用したい
発熱、おりものの増加、強い下腹部痛などがある場合は、まず婦人科で感染の有無を確認することが重要です。
婦人科での治療後も慢性的な痛みや違和感が残っている方はご相談ください。
※鍼灸はPIDの原因となる細菌感染を治療するものではありません。感染が疑われる場合は、婦人科での抗菌薬治療を優先してください。
骨盤内炎症性疾患(PID)とは
骨盤内炎症性疾患(PID:Pelvic Inflammatory Disease)は、子宮、卵管、卵巣などの上部生殖器に細菌感染が広がることで起こる炎症性疾患です。
クラミジアや淋菌などの性感染症が原因になることがありますが、それ以外の細菌が関係する場合もあります。
PIDでみられる主な症状
- 下腹部痛
- 骨盤部の痛み
- おりものの増加・変化
- 不正出血
- 性交時痛
- 排尿時痛
- 発熱・悪寒
- 吐き気・嘔吐
症状が軽い場合や、ほとんど症状がない場合もあります。そのため、症状だけでPIDかどうかを判断することはできません。
「慢性骨盤炎」と長引く骨盤痛
「慢性骨盤炎」という言葉は、PID後に下腹部痛や骨盤周囲の違和感が長期間続いている状態などを表す際に使われることがあります。
ただし、痛みが長引いているからといって、必ずしも細菌感染が持続しているとは限りません。PIDによる炎症後の変化や癒着、神経・筋肉の影響などによって慢性骨盤痛が残る場合があります。
また、子宮内膜症、卵巣疾患、子宮腺筋症など別の病気でも似た症状が起こるため、慢性的な症状であっても婦人科で原因を確認することが大切です。
まず婦人科で確認すべきこと
PIDは感染症であるため、活動性の炎症が疑われる場合には抗菌薬による治療を早く開始することが重要です。
PIDによる炎症を放置すると、卵管などに瘢痕や癒着が生じ、不妊、異所性妊娠、慢性骨盤痛につながることがあります。
婦人科で確認したいこと
- PIDが現在活動性の感染症なのか
- クラミジア・淋菌などの感染
- おりもの・子宮頸管分泌物の状態
- 下腹部・子宮・付属器の圧痛
- 血液検査による炎症の有無
- 妊娠の可能性
- 超音波検査での卵管・卵巣の状態
- 卵管卵巣膿瘍の有無
- 子宮内膜症など他疾患の可能性
- 慢性骨盤痛の原因
早めに受診したい症状
- 発熱や悪寒がある
- 下腹部痛が急に強くなった
- おりものが急に増えた、臭いや色が変わった
- 不正出血がある
- 吐き気・嘔吐がある
- 妊娠の可能性がある状態で腹痛がある
- 抗菌薬を開始しても症状が改善しない
「薬を飲んでも良くならないから鍼灸へ切り替える」のではなく、まず感染が十分に治療されているか、別の原因がないかを婦人科で再評価することが重要です。
検査・評価法
PIDは症状だけで確定することが難しいため、婦人科では問診、内診、感染症検査、血液検査、画像検査などを組み合わせて診断します。
医療機関で行われる主な確認
- 問診
- 婦人科診察・内診
- クラミジア・淋菌などの検査
- 妊娠検査
- 血液検査
- 経腟超音波検査
- 必要に応じた画像検査
- 診断が難しい場合の追加検査
当院で確認するポイント
- 婦人科での診断内容
- これまでの抗菌薬治療
- 現在感染が落ち着いているか
- 下腹部痛の場所・強さ
- 腰・仙骨周囲の痛み
- 月経周期との関係
- 冷え
- 疲労感
- 便通・胃腸の状態
- 睡眠
- 舌・脈など中医学的な状態
感染症としてのPIDの評価は医療機関で行い、当院ではその診断・治療内容を確認したうえで、慢性的に残っている症状と全身状態をみていきます。
当院の中国鍼灸治療
婦人科で感染に対する治療が行われた後も、下腹部の鈍痛、腰仙部の痛み、冷え、月経に伴う不調などが長く続くことがあります。
慢性骨盤痛に対する鍼灸については臨床研究が行われており、PIDに伴う下腹部痛や腰仙部痛の軽減を示唆する報告があります。
一方で、現在の研究には方法論上の限界があり、鍼灸によってPIDそのものや感染を治療できることが確立されているわけではありません。
当院では、感染治療に代わる方法としてではなく、婦人科治療後に残る慢性的な痛みや不快感、冷えなどを整える補完的な方法として鍼灸を行います。
治療で重視すること
- 婦人科で感染の状態を確認する
- 長引く下腹部痛の範囲を確認する
- 腰・骨盤周囲の緊張を確認する
- 月経周期と症状の関係を確認する
- 冷え・疲労・睡眠など全身状態を確認する
- 中医学的な血瘀・湿熱などを見極める
- 一人ひとりに合わせて刺激量を調整する
痛みだけでなく、おりものの変化や発熱など感染を疑う症状が再び出た場合は、鍼灸を続ける前に婦人科へ再受診していただきます。
清熱利湿・行気活血・化瘀止痛
当院では、中医学の弁証論治に基づき、症状や体質に応じて施術方針を組み立てます。
清熱利湿(せいねつりしつ)
中医学で「湿熱」と考える状態に対して用いる治療原則です。
下腹部の重だるさ、おりものなどを含めた体調を中医学的に確認します。ただし、感染症としての炎症を鍼灸で治療するという意味ではありません。
行気活血(こうきかっけつ)
気血の巡りが滞っていると考える状態に対して用いる治療原則です。
長引く下腹部の張り、重さ、月経に伴う不快感などを確認しながら施術します。
化瘀止痛(かおちつう)
中医学で「瘀血」と考える状態に対して、痛みを和らげやすい状態を目指す治療原則です。
下腹部痛、腰仙部痛、月経に伴う痛みなどを確認し、一人ひとりに合わせて施術します。
施術のポイント
- 症状・体質に合わせたオーダーメイドの施術
- 腹部・腰部・手足など全身の状態を確認
- 鍼の深さや角度を部位に応じて調整
- 刺激量を一人ひとりに合わせる
- 婦人科治療と併用する
「ホルモンバランスを正常化する」「免疫力を高めて再発を防ぐ」といった効果を一律に保証するのではなく、実際にみられる症状と全身状態を確認しながら施術します。
治療の流れ
- Step 1
婦人科での診断を確認
PIDの診断、感染症検査、抗菌薬治療の内容などを確認します。
- Step 2
現在の症状を確認
下腹部痛、腰仙部痛、月経との関係、冷えなどを確認します。
- Step 3
四診で体質を確認
舌・脈、胃腸、睡眠、疲労なども含め、湿熱、血瘀、気滞などを確認します。
- Step 4
中国鍼灸施術
症状と体質に合わせ、腹部・腰部・手足などへ施術します。
- Step 5
施術後の確認
下腹部の痛みや違和感、身体の緊張などを確認します。
- Step 6
経過を確認
症状の変化と婦人科での経過を確認しながら、次回の施術時期を調整します。
日常生活で気をつけること
PIDを経験した方は、症状が落ち着いた後も再び下腹部痛やおりものの異常などが出た場合には、自己判断せず婦人科へ相談してください。
- 処方された抗菌薬は医師の指示どおり使用する
- 自己判断で治療を中止しない
- 発熱や強い腹痛があれば早めに受診する
- おりものや不正出血の変化を確認する
- 性感染症について必要な検査を受ける
- 十分な睡眠と休養をとる
- 身体を冷やしすぎない
- 慢性的な痛みを我慢し続けない
慢性的な骨盤痛では、痛みの原因が一つとは限りません。症状が長引く場合は、婦人科でPID以外の原因についても確認することが大切です。
症状別の治療方針
慢性骨盤炎・PID後の症状は一人ひとり異なるため、症状と中医学的な状態に合わせて施術方針を変えます。
- 下腹部の鈍痛・違和感が続く場合
確認婦人科で感染が落ち着いていることを確認したうえで、痛みの位置、月経との関係、冷えなどを確認します。
方針行気活血・化瘀止痛などの考え方を中心に、一人ひとりの状態に合わせて施術します。
- 腰・仙骨周囲の重だるさを伴う場合
確認腰仙部の緊張、骨盤周囲の痛み、冷え、疲労などを確認します。
方針腹部だけでなく腰部・手足も含め、全身状態に合わせて施術します。
- 月経に伴って症状が強くなる場合
確認月経周期、生理痛、経血の状態、下腹部の痛みなどを確認します。
方針血瘀、気滞など中医学的な状態を確認し、月経周期も考慮しながら施術します。
当院の鍼灸治療の特徴
| 患者様のお悩み | 中国鍼灸・健身院の対応 |
|---|---|
| 婦人科治療後も痛みが残っている | 感染の治療状況を確認したうえで、慢性的な骨盤痛への補完的な鍼灸を行います |
| 下腹部だけでなく腰もつらい | 腹部・腰部・手足など全身状態を確認します |
| 冷えや月経の不調もある | 血瘀、湿熱、気滞など中医学的な状態を確認します |
| 鍼が初めてで不安 | 症状と体質に応じて鍼の深さ・角度・刺激量を調整します |
- 婦人科での診断・抗菌薬治療を尊重
- 清熱利湿・行気活血・化瘀止痛を基本に弁証
- 症状と体質に合わせたオーダーメイド施術
- 下腹部だけでなく腰・全身状態も確認
- 月経周期も考慮
- 鍼の深さ・角度・刺激量を調整
- 感染を疑う症状が出た場合は婦人科受診を優先
通院回数・治療ペース
通院ペースは、痛みの強さ、症状が続いている期間、月経との関係、婦人科での治療状況などによって調整します。
| 状態 | 通院ペースの考え方 |
|---|---|
| 痛み・違和感が強い時期 | 週1回程度から症状の変化を確認します。 |
| 慢性的な症状が続く場合 | 数週間から数か月の経過をみながら施術間隔を調整します。 |
| 状態が安定してきた場合 | 2週間~月1回程度へ間隔を調整します。 |
※感染が活動性の場合は鍼灸より婦人科治療を優先します。症状が悪化した場合も、通院回数を増やすのではなく婦人科で再評価を受けてください。
治療コース・料金
慢性骨盤炎・PID後の骨盤痛では、下腹部だけでなく腰部、冷え、月経、全身状態を確認するため、中医鍼灸の70分または90分コースをおすすめしています。
- 初診料:2,200円(税込)
- 中医鍼灸コース(70分):
8,800円(税込) / 74,800円(10回券・15%OFF) - 中医鍼灸コース(90分):
10,800円(税込) / 91,800円(10回券・15%OFF)
詳しくは治療コース・料金表をご覧ください。
よくあるご質問
鍼灸でPIDの感染は治りますか?
抗菌薬を飲んでも下腹部痛が残っています。相談できますか?
おりものが増えていますが鍼灸で対応できますか?
慢性骨盤炎で不妊になることはありますか?
鍼灸には慢性骨盤痛への研究がありますか?
どのくらい通えばよいですか?
参考文献・参考情報
- ACOG:Pelvic Inflammatory Disease (PID)
- ACOG:Chronic Pelvic Pain
- CDC:Pelvic Inflammatory Disease - STI Treatment Guidelines
- MSDマニュアル:骨盤内炎症性疾患(PID)
- Yi L, et al. Acupuncture therapies for relieving pain in pelvic inflammatory disease: A systematic review and meta-analysis. PLOS ONE. 2024.
- The efficacy of acupuncture and related treatments on chronic pelvic inflammatory disease: a network meta-analysis. Frontiers in Medicine. 2025.
※PIDは感染症であり、活動性の感染には医療機関での抗菌薬治療が必要です。鍼灸は感染治療の代わりではなく、婦人科治療後に残る慢性的な痛みや体調不良への補完的なケアとして行います。
骨盤内炎症性疾患(PID)は、早期に適切な抗菌薬治療を受けることが重要な疾患です。
一方、治療後にも下腹部痛や腰仙部痛などが慢性的に残る場合があります。中国鍼灸・健身院では、婦人科での診断・治療を尊重しながら、清熱利湿・行気活血・化瘀止痛などの中医学的な考え方で症状緩和と体調管理をサポートします。
婦人科治療後も慢性的な骨盤痛や違和感でお困りの方はご相談ください。
この記事の監修・執筆者

院長 朱錫龍(シュ・シロン)
鍼灸歴40年 /
上海中医薬大学卒 元主治医
はり師:第137701号 /
きゅう師:第137515号

副院長 姚依文(ヤオ・イーウェン)
鍼灸歴34年 /
南京中医薬大学大学院修了 医学博士
はり師:第115967号 /
きゅう師:第115884号
