認知機能・感情面・生活機能の改善
アルツハイマー病は、認知症の中で最も多いタイプであり、記憶力の低下だけでなく、判断力、会話能力、感情コントロール、そして日常生活動作にまで影響を及ぼす進行性の疾患です。
現在の西洋医学では進行を遅らせる薬はあるものの、根本的な治療法はまだ確立されていません。そのような中、中医学・中国鍼灸によるアプローチが国内外で大きな注目を集めています。
研究では、鍼灸治療が脳機能や海馬の働きに良い影響を与え、記憶力や注意力、精神状態の改善に関与する可能性が報告されています。
当院では、上海で培った高度な頭部鍼技術と中医学的評価を組み合わせ、患者様の「自分らしさ」と「ご家族の安心」をサポートします。

臨床研究が示す鍼灸の可能性
近年のメタアナリシス(複数の研究を統合した解析)では、「西洋薬単独」よりも「鍼灸+西洋薬治療」を併用したグループの方が、認知機能評価(MMSE)の改善が顕著であったと報告されています。
副作用が少ない安全性の高い治療法として、記憶力、注意力、会話能力、感情の安定、日常生活能力の維持・改善が期待されています。
MRI研究による脳血流の変化
最新のMRI研究において、鍼灸治療後に海馬周囲の脳活動や脳血流に変化が見られることが確認されています。
当院でも脳・神経系疾患への高い専門性を活かし、脳機能への積極的なアプローチを行っています。
上海の病院での豊富な臨床経験をもとに、単なる物忘れにとどまらない全身的なケアを提供します。
なぜ「中国鍼」が認知機能に作用するのか?
中医学では、アルツハイマー病を単なる「脳の病気」ではなく、加齢による「腎精(じんせい)」の不足、脳への栄養不足、気血循環の低下、そして老廃物である「痰湿(たんしつ)」の蓄積、強いストレスや不眠などが複雑に関係していると考えます。
健身院の中国鍼は、頭部の特定のツボへ精緻な刺激を与えることで、自律神経を調整し、脳の血流改善を促します。これにより、睡眠の質の向上や情緒の安定を引き出し、全身の気血循環を改善、脳が本来持つ働きをバックアップする環境を整えます。
脳血流・海馬へのアプローチ
頭部への刺鍼により脳循環を促進。最新研究でも支持される海馬周囲の活性化を目指します。
自律神経と睡眠の改善
深いリラックス効果により睡眠の質を高め、脳の老廃物排泄と修復をサポートします。
情緒の安定(BPSD対策)
不安感、抑うつ、イライラを緩和。穏やかな日常生活とご家族の負担軽減に寄与します。
当院では、一人ひとりの気血の状態を見極め、全身の循環を整えることで脳機能を総合的に支えます。
健身院の専門的アプローチ
アルツハイマー病に対しては、頭部への局所治療と、全身のバランス調整を組み合わせた独自のプログラムを行います。
- Step 1
認知・精神状態の評価
記憶の状態、表情の変化、睡眠、情緒の安定度などを詳しく伺い、現状を把握します。
- Step 2
中医学的な原因分析
腎精の不足、血流の滞り、ストレスによる気の上昇など、体質的な根本原因を診断します。
- Step 3
頭部・全身への中国鍼
上海仕込みの技術で、頭部の重要ポイントと全身のツボを組み合わせ、脳と身体の循環を同時に高めます。
- Step 4
継続的なQOLサポート
ご本人の改善だけでなく、ご家族の介護負担を軽減するためのアドバイスも含め、並走していきます。
このような症状にお悩みではありませんか?
アルツハイマー病は早期のアプローチが重要です。以下のようなサインが見られたら、中国鍼灸が力になれるかもしれません。
記憶と判断の低下
物忘れ・繰り返しの質問
同じことを何度も聞く、しまい忘れが増えた、集中力が落ちたと感じる。
情緒・性格の変化
怒りっぽさ・不安感
以前より怒りっぽくなった、不安や抑うつが強い、表情が乏しくなった。
睡眠・生活リズム
不眠・昼夜逆転
夜眠れない、夜間に歩き回るなど、生活リズムが乱れ始めている。
コミュニケーション
会話の減少
言葉がすぐに出てこない、会話が減り、周囲との交流が難しくなってきた。
健身院は、脳・神経系疾患(ALS、重症筋無力症、顔面麻痺等)の豊富な実績を背景に、難病に立ち向かう患者様を支えます。
よくあるご質問
- 一度の治療で良くなりますか?
- アルツハイマー病は進行性の疾患であるため、短期間での劇的改善は難しいですが、継続することで表情の明るさや睡眠、落ち着きなどのQOL向上が期待できます。
- どのくらいの頻度で通えばいいですか?
- 状態にもよりますが、初期は週1〜2回、安定してからは状況に合わせて継続することをおすすめしています。
- 高齢ですが鍼は痛くないですか?
- 当院の鍼は安全に配慮しており、多くの高齢者の方がリラックスして受けられています。体調に合わせた細心の施術を行います。
治療実例と期待される変化
アルツハイマー病の治療において、私たちは「数値」の改善だけでなく、患者様とご家族が感じる「日常の輝き」を大切にしています。鍼灸治療によって表情が明るくなり、ご家族との会話が増えることで、介護される側の満足度だけでなく、介護する側の心理的負担も大幅に軽減されるケースが多く見られます。
- 症例①
患者70代女性
主訴会話が減り、無気力になった
治療2年前より物忘れが増え、同じ話を繰り返すようになった。最近ではテレビを見ても反応が乏しく、一日中ぼんやり座っていることが増加。病院でアルツハイマー型認知症と診断され、内服治療中。初診時は表情も乏しく、家族への返答も短い状態だった。中医学的には「腎精不足・気血両虚」と判断。百会・四神聡・神庭など頭部穴に加え、足三里・三陰交・太渓を用いて全身調整を行った。週2回の治療を継続。
結果3か月後には、自ら会話に加わる場面が増え、家族から「最近は昔の話を自分からするようになった」との報告があった。半年後には散歩への意欲も戻り、表情の改善がみられた。
- 症例②
患者80代男性
主訴夜間せん妄と不眠が強かった
治療夕方以降に落ち着きがなくなり、「家に帰る」と言って外へ出ようとする症状が出現。夜間不眠も強く、家族が疲弊していた。病院ではアルツハイマー型認知症と診断。睡眠薬を使用していたが、昼間のふらつきが問題となっていた。中医学では「痰濁阻竅・心神不寧」と判断。頭部の醒脳開竅法に加え、内関・神門・安眠穴などを使用し、自律神経調整を重視した。治療開始後2週間で夜間覚醒が減少。
結果1か月後には「夜に歩き回る回数が減った」と家族が実感。3か月後には昼夜逆転も軽減し、介護負担の軽減につながった。
- 症例③
患者70代女性
主訴食欲低下と抑うつを伴った
治療認知症進行後より食欲が低下し、「何もしたくない」が口癖となっていた。体重減少も認め、外出も拒否。中医学的には「脾胃虚弱・気血不足」と判断。百会・印堂・四神聡に加え、中脘・足三里・脾兪など消化機能改善を目的とした治療を行った。治療開始1か月頃より食欲が徐々に改善。
結果2か月後には家族と近所へ買い物に出るようになり、笑顔も増加。家族からは「以前より反応が穏やかになった」との声があった。
- 症例④
患者70代男性
主訴怒りっぽさと興奮症状が目立った
治療認知症発症後より感情コントロールが難しくなり、些細なことで怒鳴ることが増加。家族との関係も悪化していた。病院では進行性アルツハイマー型認知症と診断。中医学では「肝陽上亢・痰火擾心」と判断。頭部穴に加え、太衝・合谷・神門を使用し、精神興奮を抑える治療を行った。1か月後には怒声頻度が減少。
結果3か月後には家族との会話が穏やかになり、デイサービスへの拒否も軽減した。家族からは「家の空気が変わった感じがする」との感想があった。
- 症例⑤
患者60代女性
主訴初期アルツハイマー型認知症と診断された
治療仕事中のミスや約束忘れが増え来院。病院で軽度アルツハイマー型認知症と診断された。「まだ普通に生活したい」という強い希望があり、薬物治療と併用して中国鍼灸を開始。中医学では「腎虚・脳髄不足」と判断。百会・四神聡・風池・太渓などを中心に施術。また、睡眠改善とストレス軽減も重視した。2か月後には睡眠状態が改善。集中力低下や疲労感も軽減した。
結果本人から「頭が少しすっきりする日がある」との言葉が聞かれた。現在も進行予防を目的に定期通院を継続中。
治療コース・料金のご案内
アルツハイマー病のような慢性・神経系疾患では、頭部治療と全身調整をしっかり行う必要があるため、70分〜90分コースを推奨しております。
- 初診料:2,200円(税込)
- 二箇所(70分):8,800円(税込)
- 三箇所以上(90分):10,800円(税込)
関連する神経系疾患
中国鍼灸・健身院は、渋谷で開業26年。上海で研鑽を積んだ院長(臨床40年)、副院長(臨床34年)が、難治性疾患への挑戦を続けています。
参考文献・参考情報
当院の治療は、中医学の古典的知見と、最新の臨床研究データに基づき、科学的根拠(エビデンス)を意識した施術を心がけています。
- アルツハイマー病に対する鍼灸治療のメタアナリシス(MMSE評価の優位性報告)
- MRIを用いた脳血流および海馬活性化に関する鍼灸研究報告
- 上海中医薬大学:脳・神経系難病に対する中国鍼灸臨床マニュアル
- MSDマニュアル プロフェッショナル版:アルツハイマー病
- WHO Benchmarks for the practice of acupuncture
この記事の監修・執筆者

院長 朱錫龍(シュ・シロン)
鍼灸歴40年 /
上海中医薬大学卒 元主治医
はり師:第137701号 /
きゅう師:第137515号

副院長 姚依文(ヤオ・イーウェン)
鍼灸歴34年 /
南京中医薬大学大学院修了 医学博士
はり師:第115967号 /
きゅう師:第115884号
