梨状筋症候群

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梨状筋症候群とは

梨状筋とはお尻の奥にあり、仙骨から始まり、座骨大孔を通って臀部に入り、狭い腱になって大腿骨に付着します。股関節を外旋させる働きを持っています。
この梨状筋が疲労して、炎症や過度の緊張により、座骨神経を圧迫してしびれや鈍痛を引き起こします。梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因のひとつでもあります。坐骨神経痛の治療を受けても、なかなか症状が改善しない場合は、梨状筋症候群の可能性が疑われます。

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梨状筋症候群原因と症状

原因として考えられるのは三つあります。

①梨状筋の変異

つまり、梨状筋の先天的形状に問題があり、正常な方は座骨神経が梨状筋下縁の座骨大孔から出るのですが、中には坐骨神経の一部が梨状筋の間を貫いていたり、上と下を挟んで通っている人もいます。このような場合は、下肢外旋或いは臀部が冷えを受けた時、梨状筋の筋束の収縮幅が変化し、筋束間の隙間が縮小により座骨神経が刺激され、症状があらわれます。

②梨状筋の損傷

しゃがんで急に起立するときに、突然下腿を過度に外旋することにより梨状筋の損傷をきたします。特にスポーツ選手やランニングをよくする人は炎症を起こしやすいのです。

③ギックリ腰が慢性化などの原因により梨状筋が慢性的炎症をおこし、座骨神経を圧迫します。長期間にわたり筋繊維の変性をきたします。

梨状筋症候群の症状は座骨神経痛の痛みをきたします、お尻の痛みから足先へ走る痛みやシビレが多いようです。また、横向きに寝るのがつらく、腰を曲げることや車を運転することでより痛みが増強します。 大腰筋が原因の梨状筋症候群は、背中をそらしたときに痛みがある場合が多く、立ち上がったりするときに痛みが出ます。

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梨状筋症候群の診断と鑑別

大部分の患者はものを担いだり、しゃがんで起立したときに突然捻挫しています。梨状筋の場所を押す痛みがあります。梨状筋テスト(股関節を屈曲し、膝を屈曲して大腿を内旋させると痛みを引き起こします)陽性。

梨状筋症候群の症状は以下の疾患の症状と非常に似ているので鑑別することが大事です

①腰椎椎間板ヘルニア

20歳-40歳に多発し、腰痛の痛みに伴い片側の下肢痛が特徴、腰椎に痛み有り、下肢に放散痛あり。梨状筋症候群の場合は腰部に目立った痛みはなく、圧痛点は臀部にあり、神経痛は臀部からが特徴です。

②腰椎脊柱管狭窄症

間欠跛行を特徴とする座骨神経痛。しばらく歩くと下肢が疲れてきて、しゃがんで休むと楽になるのが特徴です。

③腰椎椎間関節症

一般に座骨神経痛をきたさない。ただし、神経根の近くに炎症ある場合は腰をうしろに伸ばすときに座骨神経痛を誘発します。

西洋医学の治療法

治療方法としては、安静が一番だと思います。痛みが強い場合は非ステロイド系抗炎症剤、筋弛緩剤、ビタミン剤が処方されます。さらに改善されない場合は神経ブロック療法があります。

また、手術療法で梨状筋を切離する手術もあります。梨状筋の治療はやはり保存治療が一番だと思います。

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健身院での治療法

梨状筋症候群に対する当院の治療方針は「舒筋通絡」, 「活血化淤」、「濡養経筋」:つまり梨状筋を緩め、詰った経絡を開通させ、血行を改善し、梨状筋の筋緊張や炎症を取り除くことにより、経絡と筋肉に栄養を与えていく考えです。本場のプロフェッショナルが鍼灸と手技などを組み合わせて行い、筋肉の緊張や痛みを軽減します。