
皆様、こんにちは。中国鍼灸・健身院です。
もうすぐ「白露(はくろ)」(9月7日・月曜日)——二十四節気のひとつで、草木の葉先に白い露が宿り始める時節です。朝晩の涼しさが増し、夏から秋へと季節が本格的に移り変わるこの時季は、中医学(中国伝統医学)の観点では「燥(そう)の季節」の入り口とされています。
夏の熱気がようやく和らぐ一方で、乾いた空気が肺や気道・皮膚の潤いを奪い始めます。「咳が出やすくなった」「喉がいがらっぽい」「肌がカサつく」「なんとなく体が重い」——こうした秋口の不調には、季節の変化に伴う「燥邪(そうじゃ)」の影響と、夏に消耗した気力・体力の回復の遅れが関係していることがあります。
今回は、白露の時季に起こりやすい不調と、中医学・鍼灸の観点からのアプローチについてご紹介します。
白露と「燥邪」——秋の乾燥が体にもたらす影響
中医学では、季節ごとに身体に影響を与えやすい自然界の邪気(じゃき)が異なると考えます。秋の邪気が「燥邪」です。
燥邪は「乾燥させる」性質を持ち、特に五臓の「肺」と結びつきが強いとされています。肺は、呼吸を司るとともに、気道・鼻・皮膚・体毛に潤いを届ける働きを担っています。空気の乾燥によって肺の潤いが失われると、以下のような症状が現れやすくなります。
- 乾いた咳・痰が少ない咳
- 喉のいがらっぽさ・乾燥感・違和感
- 鼻の乾燥・鼻詰まり・鼻血
- 皮膚や唇のカサつき・荒れ
- 口の渇き・水分を欲しやすい
- 声のかすれ・声が出にくい感覚
加えて、夏の間に汗をかいたり冷たいものを多く摂ったりして消耗した「気(き)と陰(いん)」——体のエネルギーと潤いの素——が十分に回復していないと、燥邪の影響をより受けやすくなります。白露の時季は、この「夏の消耗+秋の乾燥」が重なりやすい、体調管理のうえで大切な節目です。
秋口に多い「秋バテ」——夏の疲れが秋になって出る理由
「夏は元気だったのに、秋になって急に疲れが出てきた」——これはいわゆる「秋バテ」の典型的なパターンです。
夏の間、冷房と外気の温度差・冷たい飲食による胃腸の負担・発汗による体液と気力の消耗が積み重なります。これらを体が「夏の勢いで乗り越えていた」ものの、秋の気温低下とともに一気に疲れが表面に出てくることがあります。
中医学ではこの状態を「気陰両虚(きいんりょうきょ)」——気力(体を動かすエネルギー)と陰液(体を潤す力)がともに不足した状態——と捉えます。倦怠感・集中力の低下・食欲のムラ・睡眠が浅い・午後から夕方にかけて疲れやすい、といった症状が重なる場合に多くみられます。
秋の乾燥と秋バテへの鍼灸アプローチ
当院では、「平衡鍼灸学」——中国伝統鍼灸と西洋医学の解剖学・生理学的知見を組み合わせた施術体系——に基づき、秋の乾燥・秋バテに対して次のようなアプローチを行っています。
- 肺の機能を補うツボ:肺兪(はいゆ)・尺沢(しゃくたく)・太淵(たいえん)——肺の気を補い、気道や皮膚への潤いを整えます
- 陰液を補い乾燥を和らげるツボ:三陰交(さんいんこう)・照海(しょうかい)・復溜(ふくりゅう)——体の潤いを補い、口や喉・皮膚の乾燥感を軽減します
- 気を補い疲労を回復するツボ:足三里(あしさんり)・気海(きかい)・合谷(ごうこく)——消化吸収機能を整えながら、全身の気力を補います
- 自律神経を整えるツボ:内関(ないかん)・神門(しんもん)——夏の疲れによる睡眠の浅さ・精神的な疲労感を和らげます
患者さまの体質や現在の症状(乾燥が強いか、倦怠感が強いか、胃腸の不調が伴うかなど)を確認したうえで、一人ひとりに合わせてツボの組み合わせを調整します。
この時季におすすめの食養生
中医学では、秋の乾燥には「肺を潤す白い食材」を積極的に取り入れることが養生の基本とされています。
- 梨(なし):肺を潤し、乾いた咳や喉の乾燥を和らげる代表的な食材
- 白木耳(しろきくらげ):陰液を補い、皮膚や気道の潤いをサポート
- 蓮根(れんこん):肺の熱を鎮め、気道の不快感を和らげる
- 白ゴマ:体の潤いと腸の働きを補い、乾燥による便秘にも
- 百合根(ゆりね):肺と心を潤し、乾燥期の睡眠の浅さにも役立つとされる
冷たい飲み物は引き続き控えめにし、白湯やお茶でゆっくりと水分を補うことも大切です。冷えた胃腸は肺への栄養の供給にも影響するため、秋口は特に温かいものを意識してとるようにしましょう。
こんなお悩みのある方はご相談ください
- 秋になると毎年のように喉・鼻・皮膚の乾燥が気になる
- 夏の疲れが抜けず、だるさや倦怠感が続いている
- 乾いた咳が止まらず、病院では異常なしと言われた
- 冷房のあたりすぎで胃腸の調子が戻っていない
- 秋口に睡眠が浅くなる・朝の目覚めが悪い
「大きな病気ではないけれど、なんとなくすっきりしない」という秋口の不調は、放置すると冬にかけて体調を崩しやすい状態になることもあります。季節の変わり目に体を整えておくことが、冬を元気に過ごすための備えになります。
中国鍼灸・健身院について
中国鍼灸・健身院は、渋谷駅東口から徒歩3分、地下鉄B2出口から徒歩1分のドクターズビル8階にあります。
臨床歴40年の朱錫龍院長と、臨床歴34年の姚依文副院長が、患者さまの体質や症状を確認しながら施術を担当します。37年の実績と延べ15万人以上の施術経験をもとに、「平衡鍼灸学」に基づいた一人ひとりに合わせた施術をご提供しています。
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副院長より