なんだか目が閉じにくい

顔面神経麻痺によって片方の目が閉じにくくなる症状のイメージ

顔面神経麻痺になると、口元が動かしにくくなるだけでなく、 片方の目が十分に閉じられなくなることがあります。

「目が乾いてつらい」 「涙が出るのに乾燥している感じがする」 「寝ている間も目が開いてしまう」 ――こうした症状に不安を感じている方も いらっしゃるのではないでしょうか。

顔面神経麻痺では、顔の動きの回復とともに、 目の表面を守ることが重要です。 今回は、目が閉じにくくなる理由や日常生活での注意点、 中国鍼灸・健身院で行っている鍼灸施術についてご紹介します。

顔面神経麻痺で目が閉じにくくなる理由

顔面神経は、まぶたを閉じる筋肉や口元など、 顔の表情をつくる筋肉の動きに関わっています。

顔面神経の働きが低下すると、まぶたを閉じる力が弱まり、 まばたきが不十分になったり、 目を完全に閉じられなくなったりします。

その結果、目の表面が乾燥しやすくなり、 角膜に傷がつくおそれがあります。

次のような症状はありませんか。

  • 片方の目を完全に閉じることができない
  • まばたきがしにくい
  • 目が乾く、ゴロゴロする
  • 涙が出るのに乾燥感がある
  • 朝起きると目が痛い、充血している

目の痛み、強い充血、見えにくさなどがある場合は、 角膜の障害が起きている可能性もあるため、 早めに眼科を受診してください。

目を守るために気をつけたいこと

顔面神経麻痺によって目が閉じにくい場合は、 医療機関で目の状態を確認し、 必要な保護方法について指導を受けることが大切です。

  • 目の乾燥を防ぐ
    医師の指示に従い、人工涙液などの点眼薬や 眼軟膏を使用することがあります。
  • 就寝中の目を保護する
    眠っている間に目が開いてしまう場合は、 医療機関で適切な保護方法を確認してください。
  • 風や乾燥を避ける
    エアコンの風が目に直接当たらないようにし、 乾燥した環境に注意しましょう。
  • 目を無理にこすらない
    乾燥や違和感があっても、 目の表面を傷つけないように注意してください。

目をテープで閉じる方法が案内される場合もありますが、 誤った方法では目を傷つけることがあります。 自己判断で行わず、医師などから適切な方法を教わってください。

突然の顔面神経麻痺は、まず医療機関へ

顔面神経麻痺には、ベル麻痺や ラムゼイ・ハント症候群など、 さまざまな原因があります。

ベル麻痺では、発症後早期のステロイド治療が 標準的な治療の一つです。 特に発症から72時間以内の対応が重要とされています。

また、顔の麻痺とともに手足の脱力、 言葉の出にくさ、激しい頭痛などが現れた場合は、 脳卒中などの可能性もあるため、 速やかな救急受診が必要です。

鍼灸を検討する場合も、 まず医療機関で原因や重症度を確認し、 必要な治療を受けてください。

当院の顔面神経麻痺に対する鍼灸

中国鍼灸・健身院では、顔面神経麻痺に対して 「経筋透刺法(けいきんとうしほう)」を用いています。

透刺法は、関連する複数のツボや筋肉のつながりを 考慮して刺激する中国鍼灸の刺鍼方法です。

当院では、顔面神経麻痺の状態に応じて、 鍼を入れる位置・方向・深さ・刺激量を調整します。

施術にあたっては、次の点を重視しています。

  • 病院での診断内容と治療経過を確認する
  • 発症からの期間と麻痺の程度を確認する
  • まぶたや口元など、表情筋の動きを確認する
  • 経筋透刺法を状態に合わせて用いる
  • 鍼の刺激量を一律にせず調整する
  • 首肩や全身の状態も確認する
  • 病院での治療を継続しながら補完的に施術する

顔面神経麻痺の回復には個人差があります。 鍼灸による症状緩和を目指しますが、 すべての方に同じ結果が得られるものではありません。

神経系疾患に長年携わる施術者が対応

当院の副院長・姚依文は、 南京中医薬大学大学院を修了した医学博士で、 顔面神経麻痺や顔面けいれんなどの 神経系疾患に長年取り組んできました。

中国の大学病院で培った臨床経験を活かし、 症状の現れ方や回復段階を確認しながら、 一人ひとりに合わせた施術を行っています。

顔面神経麻痺で目が閉じにくい方、 病院で治療を受けながら鍼灸の併用を 検討されている方はご相談ください。

執筆:副院長 姚依文