夏日祛湿薬膳スープ「四神湯」

 

近年、「四神湯」という健康食品が多くの人々に人気です。「四神」とは一体どの四神なのか? そして、なぜこれほど多くの人に支持されているのでしょうか? さらに、「四神湯」の効果をどうやって最大限に活かすことができるのでしょうか?


「四神湯」の起源と歴史
「四神湯」の由来については、はっきりした説はありませんが、ある伝説によれば、乾隆帝が江南を巡視した際、同行していた四人の大臣が舟、車の移動による疲れや水土の違いにより次々と病気になりました。宮廷の医師が治療を試みたものの効果はありませんでした。そこで乾隆帝は医者を求めて掲示板に知らせを出し、一人の僧侶がその掲示板を見て現れました。この僧侶は、薬方として「蓮子、芡実、山薬、茯苓を同量で煮込んだ豚の胃袋」のスープを提案しました。その薬方を服用した四人の大臣は見事に回復しました。それ以降、乾隆帝が南巡する際には毎回この薬方を煮込み、健康を保っていたと言われています。長い時間を経て、この薬方は「四臣湯」と呼ばれるようになり、後に「臣(しん)」と「神(しん)」が音が似ていることから、民間では「四神湯」と呼ばれるようになったのです。


四種類の薬材の効能
「四神湯」は山薬、茯苓、芡実、蓮子の四つの薬材を主な材料として使用します。これらの薬材を組み合わせることで、脾の陰を補い、胃腸を強化し、湿邪を取り除き、心を養う効果があります。
● 山薬(ヤマイモ): 甘味があり、平和で穏やかな性質で、脾を補い、肺を助け、腎を強化します。特に脾虚による下痢や倦怠感に有効です。
● 茯苓(ブクリョウ): 湿邪を取り除き、体内の余分な水分を排出し、胃腸を健やかにします。脾虚による湿気の影響を取り除くために用いられます。
● 芡実(ケンジツ): 湿気を取り除き、腎を強化し、脾の機能を助け、下痢や過剰な湿気による症状を改善します。
● 蓮子(レンシ): 脾を補い、下痢を止め、腎を助け、心を安定させます。


湿気が原因となる体調不良に適応

「四神湯」は、湿気の影響を受けやすい方に特に効果的とされています。湿気には、外部から侵入するものと、体内で生じるものの2種類があります。

外部的な湿気は、梅雨時期のような湿度の高い気候や、湿気の多い環境に長時間いることで体内に入り込みます。一方、内部的な湿気は、冷たい飲食物や脂っこい食事の過剰摂取、または体力の低下によって発生しやすくなります。

湿気によって引き起こされる主な症状には、腹部の膨満感、食欲不振、体のだるさや重さ、小便の濁りや排尿困難、粘り気のある軟便、舌苔(ぜったい)の厚み、口の粘つきなどが挙げられます。これらの症状が見られる場合、体内に「湿邪(しつじゃ)」が溜まっている可能性があります。


使用する際の注意
「四神湯」は湿気を取り除くための薬方ですが、湿気が原因ではない人々には適していません。例えば、乾燥した口や鼻、肌の乾燥、大便の乾燥、寝汗、手足のひどい熱感、目の乾燥などの症状がある場合は、使用を避けるべきです。

このように、「四神湯」は湿気を取り除くために非常に効果的な薬方ですが、湿邪に悩んでいない場合や、体が乾燥している場合には使用しないように注意することが重要です。