顔面けいれんに対する鍼治療について ― 施術者として思うこと

顔面けいれんでお悩みの方が来院されるとき、多くの方が不安そうな表情をされています。

 

「このピクピクは止まるのでしょうか」
「だんだんひどくなっている気がします」
「人前に出るのがつらいです」

 

目の周りから始まり、頬や口元へと広がっていくけいれん。ご本人にしか分からない不安と緊張があります。見た目の問題もあるため、精神的な負担は決して小さくありません。

 

医療機関で顔面けいれんと診断され、ボトックスや手術の説明を受けた上で、「まずは体にやさしい方法を試したい」と鍼治療を選ばれる方もいらっしゃいます。

 

私たち施術者がまず大切にしているのは、顔だけを診ないということです。

顔に症状が出ていても、実際にお身体を触れてみると、首や肩、背中が強く緊張していることが非常に多いのです。常に力が入っている状態では、神経も興奮しやすくなります。ストレスや睡眠不足が重なると、けいれんはさらに出やすくなります。

 

鍼治療では、顔面部にはごく細い鍼をやさしく用いながら、同時に首肩や全身の緊張を緩めていきます。刺激は最小限にし、過敏になっている神経を落ち着かせることを目的とします。

 

施術後、「顔が温かい感じがする」「軽くなった気がする」とおっしゃる方は少なくありません。ただ、1回で完全に止まるというよりは、回数を重ねる中で、

けいれんの強さが弱くなる
回数が減る
気にならない時間が増える

 

そうした小さな変化が積み重なっていく印象です。

 

また、治療の時間そのものが緊張を手放す時間になることもあります。静かに横になり、呼吸を整える。その時間が、自律神経のバランスを整える助けになるのです。

 

もちろん、すべての方に同じ結果が出るわけではありません。症状の程度や原因によっては、医療機関での治療が適している場合もあります。私たちはそれを否定せず、必要に応じて併用をおすすめしています。

 

顔面けいれんは、体だけでなく心にも影響する症状です。だからこそ、安心して話せる場所であること、そして体全体を整える視点を持つことを大切にしています。

 

症状と向き合う中で、「少し楽になった」と感じる瞬間が増えていくこと。それが、私たちにとって何よりの喜びです。

 

副院長記

治療コース

70分コース(2ヶ所)    

8,800 

 

10回券         

74,800