耳鳴りについて ― 現代医学と中医学の視点
夜、周囲が静かなのに耳の奥で「ジーッ」「ブーン」といった音が聞こえることはありませんか?これは 耳鳴り と呼ばれる現象です。世界的にも珍しいものではなく、10人に1〜2人が経験している といわれています。
現代医学から見た耳鳴り
現代医学では、耳鳴りを 「外部に音がないのに、耳で音を感じること」 と定義しています。原因としては以下のようなものが考えられます。
・内耳(蝸牛)の細胞が傷つく
・聴神経が異常に反応する
・脳の聴覚中枢が誤作動する
ラジオのチューニングがずれて「ザーザー」と鳴るように、耳の仕組みに信号のエラーが起きている状態といえます。
中医学から見た耳鳴り
一方、中医学では耳鳴りを 「体のバランスの乱れを知らせる警鐘」 と捉えます。
『黄帝内経』には「耳は全身の経脈が集まるところ」とあり、耳は単独の器官ではなく、五臓六腑と深くつながっている とされています。
代表的な原因と症状は以下の通りです。
・腎のエネルギー不足(睡眠不足・過労) → 蝉の声のような耳鳴り、腰や膝のだるさ、記憶力低下
・肝火の上昇(怒り・ストレス過多) → 突然大きな音の耳鳴り、頭痛・口の苦み・不眠を伴う
・脾の働き低下(偏食・過度なダイエット) → 細い糸のような耳鳴り、食欲不振、体のだるさ
・痰湿や痰火の影響(脂っこい食事・飲酒習慣)→ 耳の詰まり感を伴う耳鳴り、頭重感や胸のつかえ
健身院の中国鍼治療
当院では、耳鳴りに対して 耳周りのツボ(耳門・聴宮・聴会・翳風など) を用いて施術します。鍼によって気血の流れを整えることで、多くの場合、施術後すぐに耳鳴りが和らぐこともあります。また、自宅でできるセルフケアとして「鳴天鼓(めいてんこつ)」という方法もおすすめです。
鳴天鼓のやり方
1.両手のひらで耳をふさぐ
2.指を後頭部に当て、人差し指を中指の上に置く
3.人差し指を滑らせて後頭部を軽く弾く(20〜30回)
太鼓を叩いたような音が頭の中に響き、耳周りの気血が巡りやすくなります。
予防のための養生法
中医学には「三分治療、七分養生」という言葉があり、日々の習慣がとても大切です。
・感情を安定させる:深呼吸や瞑想でストレスを軽減
・十分な睡眠:夜更かしを避け、肝腎を養う
・食生活を整える:脂っこい物・甘い物・アルコールを控え、バランス良く
・適度な運動:ストレッチや軽いウォーキングで気血の巡りを改善
中国鍼灸・健身院のご案内
耳鳴りは単なる耳の不調ではなく、体の状態を映し出すサインでもあります。
つらい耳鳴りでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
中国鍼灸・健身院
東京都渋谷区渋谷1-24-5 ドクターズビル8F
03-3498-6788
診療時間:11:00〜20:30
おすすめコース
二箇所(70分):8,800円(税込)
三箇所以上(90分):10,800円(税込)
臨床歴39年、経験豊富な元中国医師が日本の風土に合わせた丁寧な治療を行っています。