中国鍼で全身の痛みを和らげる

繊維筋痛症候群と中国鍼灸

― 中医学から読み解く慢性全身疼痛 ―

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全身に広がる痛みと疲労感、
その「原因」にアプローチします
 

繊維筋痛症候群は、明確な器質的異常が認められないにもかかわらず、全身に広がる慢性的な痛み、強い疲労感、睡眠障害、こわばり、抑うつ、不安感などを伴う疾患です。

痛みの部位が一定せず、天候や精神的ストレスによって増悪することも多く、長期にわたり日常生活の質(QOL)を大きく低下させます。

 

当院では、中医学の視点から「なぜ回復しにくくなっているのか」「なぜ疲労が抜けないのか」という根本状態を見極め、治療を行います。

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繊維筋痛症候群とは…
中医学における捉え方と分類

中医学では、「不通則痛(通ぜざればすなわち痛む)」、すなわち、気血の巡りが滞ることで痛みが生じると考えます。

中医学には「繊維筋痛症候群」という病名はありませんが、その症状は、「痺証(ひしょう)」、「虚労」、「肝鬱」、「血瘀」といった概念に近い状態として理解されます。

中医学では「不通則痛(通ぜざればすなわち痛む)」と考え、気血の巡りが滞ることで痛みが生じると捉えます。臨床上多く見られるのは以下の複合的な病態です。

気血両虚(きけつりょうきょ)

 慢性的な疲労や睡眠障害により、身体を滋養する気血が不足し、痛みを抑える力が低下している状態

肝気鬱結(かんきうっけつ)

 精神的ストレスや緊張が続くことで気の巡りが滞り、筋肉の緊張や痛みとして現れる状態

血瘀(けつお)

 気の停滞が長期化することで血流が悪化し、固定的・持続的な痛みを生じる状態

脾腎の虚弱

 体力・回復力の低下により、慢性化・難治化しやすい背景要因

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繊維筋痛症候群の鍼治療
全身のバランスと自律神経機能を整える

中国鍼灸では、単に痛みのある部位(トリガーポイント等)だけに施術するのではなく、以下の3点を総合的に整えることを重視します。

  1. 全身の気血の巡り

  2. 臓腑(肝・脾・腎)の機能バランス

  3. 自律神経に相当する調整機能

これらをを総合的に整えることを重視し、全身痛の緩和だけでなく、筋肉の緊張緩和、睡眠の質の改善、疲労感・冷え・不安感の軽減などを段階的に目指していきます。

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当院の鍼灸治療の特徴
四診による体質の見極めと補瀉(ほしゃ)の使い分け

当院では、四診(望・聞・問・切)を通して患者様の体質やその日の状態を把握し、「補法(足りない気を補う)」と「瀉法(滞っている邪気を取り除く)」を使い分けた本格的な中国鍼灸を行います。

繊維筋痛症候群は全身症状を伴うケースが多いため、70分~90分コースをおすすめしており、お身体の状態に応じて施術内容を調整いたします。

これにより、

全身痛の緩和

筋肉の緊張緩和

睡眠の質の改善

疲労感・冷え・不安感の軽減

などを段階的に目指していきます。

 

※当院の鍼灸施術は医療行為ではなく、診断や治療を目的とするものではありません。医療機関での治療と併用しながら、症状緩和や体調管理を目的とした補完的ケアとしてご利用ください。

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繊維筋痛症候群と向き合うために
身体の回復力を高める長期的な視点

繊維筋痛症候群は、短期間での劇的な改善を目指すものではなく、身体の回復力そのものを高めていくことが重要と中医学では考えます。 痛みそのものだけでなく、不眠やストレス、冷えといった増悪因子を一つひとつ解消していくことが大切です。焦らず、根本状態を見極めながら施術を重ねていきましょう。

痛みだけでなく、

「なぜ回復しにくくなっているのか」

「なぜ疲労が抜けないのか」

という根本状態を見極めながら施術を重ねていくことが大切です。

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繊維筋痛症候群の症例(中国鍼灸)

当院では一人一人の患者様の症状に合わせ、最も適切なツボや治療法を選んで治療します。どうぞお気軽にご相談ください。

治療実例─1

患者40代女性全身の広範な痛みと強い疲労感

主訴全身に広がる慢性的な痛み、朝のこわばり、強い疲労感。睡眠が浅く、起床時から倦怠感が続く。

     現病歴
         数年前より仕事と家庭の両立による精神的ストレスが続き、徐々に全身の痛みが出現。
     医療機関で繊維筋痛症候群と診断され、薬物療法を受けるも十分な改善が得られなかった。
         中医学的所見
         • 舌質:淡紅、舌苔薄白
         • 脈:細弱
         • 弁証:気血両虚・肝気鬱結

治療補気養血を中心に、肝気の疏通を図り、全身の気血循環を改善する。

体幹および四肢を中心に中国鍼を使用し、緊張部位と全身調整穴を組み合わせて施術。

経過数回の施術後より、起床時のこわばりが軽減。継続施術により、疲労感や痛みの強さに変化がみられ、日常生活の負担が軽減した。

治療実例─2

患者50代女性|肩・背部の強い痛みと不眠

主訴肩から背中にかけての持続的な痛み、不眠、動悸。

     現病歴
         更年期以降に症状が悪化。夜間の痛みと不安感が強く、睡眠の質が著しく低下。
         中医学的所見
         • 舌質:暗紅
         • 舌苔:薄
     • 脈:弦
         • 弁証:肝鬱血瘀

治療肝気を疏通し、瘀血を改善し、精神的緊張を緩和する。

局所の緊張緩和に加え、情緒調整を重視した配穴で施術。

経過施術を重ねるごとに夜間痛が軽減し、入眠までの時間が短縮。肩背部の痛みも徐々に変化がみられた。

治療実例─3

患者30代女性|天候で悪化する全身痛と冷え

主訴雨天や寒冷時に増悪する全身の痛み、冷え、むくみ。

     現病歴
         出産後より体力低下が著しく、冷えを伴う全身痛が持続。
         中医学的所見
         • 舌質:淡
         • 舌苔:白滑
     • 脈  :沈
     • 弁証:脾腎陽虚・寒湿阻絡

治療温補脾腎、寒湿を散じ、経絡の通暢を図る。。

温性刺激を用いた中国鍼を中心に、体を温める施術を実施。

経過術後より冷え感が軽減。天候による痛みの変動が以前より緩和された。

治療実例─4

患者60代女性|長期化した全身痛と抑うつ感

主訴10年以上続く全身痛、気力低下、抑うつ感。

     現病歴
         長期の痛みにより活動量が減少し、精神的落ち込みが強くなった。
         中医学的所見
         • 舌質:暗
         • 脈 :細渋
     • 弁証:気滞血瘀・心脾両虚

治療気血の巡りを改善し、心脾を補い、精神安定を図る。

全身調整を中心とした中国鍼施術。

経過継続施術により、痛みの訴えに変化がみられ、表情や睡眠の質にも良い変化がみられた。

治療実例─5

患者40代男性|仕事ストレスによる全身痛と頭重感

主訴全身の鈍痛、頭重感、集中力低下。

     現病歴
        長時間労働と強い精神的緊張が続き、徐々に症状が出現。
         中医学的所見
         • 舌質:紅
         • 脈:弦数
     • 弁証:弁証:肝火上炎・気滞

治療肝火を鎮め、気の巡りを整える。

上半身の緊張緩和と全身調整を組み合わせた施術。

経過施術後、頭重感が軽減し、全身の緊張が緩む感覚が得られた。継続により症状の安定がみられた。

 

※症例は施術の一例であり、効果を保証するものではありません。症状や経過には個人差があります。

 

渋谷中医メディカル鍼灸院

ご予約・お問い合わせ:03-3498-6788

住所:東京都渋谷区渋谷1-24-5 ドクターズビル8F

この記事の監修・執筆者

院長 朱錫龍

院長 朱錫龍(シュ・シロン)
鍼灸歴40年 /
上海中医薬大学卒 元主治医

はり師:第137701号 /
きゅう師:第137515号

副院長 姚依文

副院長 姚依文(ヤオ・イーウェン)
鍼灸歴34年 /
南京中医薬大学大学院修了 医学博士

はり師:第115967号 /
きゅう師:第115884号