強直性脊椎炎(AS)の鍼灸治療

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痛みと可動域制限に、東洋医学からのアプローチ

強直性脊椎炎は、主に脊椎や仙腸関節に慢性的な炎症が起こり、痛み・こわばり・関節の可動域制限などが進行する自己免疫疾患です。指定難病の一つであり、長期にわたる治療が必要となるケースが多く見られます。特に朝のこわばり、腰や背中の慢性的な痛み、呼吸の浅さなど、日常生活への影響も大きい病気です。若い世代から発症することが多く、早期治療と継続的なケアが重要とされています。

西洋医学では、生物学的製剤や免疫抑制剤による治療が主流ですが、効果が限定的だったり、副作用の問題を抱える患者様も少なくありません。

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健身院の主な治療方針

中国伝統医学の理論に基づき、強直性脊椎炎の痛み・可動域制限・免疫バランスの調整に取り組んでいます。

主な治療方針:

痛みと炎症の緩和:深層筋・靭帯に届く中国鍼の特性を活かし、血流を促進。慢性的な痛みの緩和を目指します。

可動域の改善:背骨や骨盤周囲の硬直に対し、動きを促す鍼刺激を行い、徐々に柔軟性を回復。

免疫バランスの調整:腸や肺経を中心とした経絡治療で、免疫系の過剰反応を鎮め、自然治癒力の向上を促します。

自律神経へのアプローチ:ストレスや睡眠障害による悪化を防ぐため、全身のバランス調整も重視しています。

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鍼灸治療の具体的な症例紹介

当院では一人一人の患者様の症状に合わせ、最も適切なツボや治療法を選んで治療します。どうぞお気軽にご相談ください。

治療実例─1

患者40代男性(発症から5年)外資系企業に勤務し、長時間のデスクワークを続ける生活。5年前より腰部と背部の慢性痛に加え、特に朝のこわばりが強く、起床後に動き出すのに時間がかかる状態が続いていた。

主訴整形外科で強直性脊椎炎(AS)と診断され、当初は生物学的製剤による治療を受けていたが、副作用(倦怠感と皮膚トラブル)により服薬を中止。再発した痛みに悩み、当院を受診。

治療週1回の頻度で鍼灸治療を開始。背部と腰部の膀胱経・督脈の経穴を中心に深部まで届くような刺鍼を実施し、筋緊張の緩和と可動域の回復を目指す。必要に応じて温熱療法を併用。

結果1ヶ月目でこわばりの軽減を実感。3ヶ月後には前屈・後屈の可動域が拡がり、朝の支度がスムーズに。疲労の蓄積も減り、仕事への集中力が向上。

【感想】:「朝の準備が楽になったのが何より嬉しい。以前のように1日が気持ちよく始められる」と語られた。

治療実例─2

患者30代女性(発症から2年)事務職で、1日中PC作業が続く勤務形態。骨盤まわりや肩甲骨周辺の痛みが続き、仕事中も集中できず。慢性的なストレスにより眠りが浅く、途中覚醒も頻発。

主訴2年前から痛みが増し、整形外科で軽度の関節炎を指摘されるも、薬は対症的な鎮痛剤のみ。根本改善につながらず、精神的にも不安を感じて当院へ。

治療週1回の鍼灸治療を実施。肝・脾・腎経を軸にした全身の気血の調整に加え、ストレス緩和を目的に百会・神門・太衝などを組み合わせて施術。

結果初月で痛みの質が軽減。2ヶ月後には肩と骨盤周囲の痛みが明らかに減少し、睡眠の質も改善。6ヶ月経過時には再発の頻度も大幅に減少

【感想】:「目覚めたときに“ぐっすり眠れた”と感じられるようになった。仕事の効率も上がった」との声あり。

治療実例─3

患者50代男性(発症から10年以上)デスクワークと運転の多い生活。10年以上前からASと診断され、仙腸関節の癒着が進行。歩行時には杖を使用していた。背中も丸まり、姿勢保持が困難。

主訴鎮痛剤を長年服用していたが、胃腸障害とめまいの副作用が出て中止。日常生活に強い支障をきたし、家族のすすめで来院。

治療週1回、仙腸関節を中心に深部まで刺鍼し、局所の循環改善を狙う。温熱療法とストレッチも併用し、可動域の回復と筋肉の柔軟性を促進。

結果初回から腰部の血流改善により筋緊張が緩和され、歩行時の痛みが軽減。約4ヶ月後には杖を使わず歩行が可能になり、背中の丸まりもやや改善。

【感想】:「10年ぶりに自分の足でしっかり歩ける実感がある。外出が楽しくなった」と嬉しいコメントをいただいた。

治療実例─4

患者20代男性(初期症状)大学でサッカー部に所属し、日常的に激しい運動を行っていた。ある時から朝起きた際の腰の強いこわばりや、練習後に背中が板のように固まる感覚を自覚。柔軟体操をしても改善されず、将来のパフォーマンス低下を懸念。

主訴整形外科でのMRI検査により強直性脊椎炎の早期段階の疑いとされる。医師からは予防的な薬物療法を勧められたが、本人が「できるだけ副作用のない方法で整えたい」と希望し、鍼灸治療を選択。

治療週1回、膀胱経・督脈を中心にした腰背部への深部刺鍼と、筋膜リリースを意識した浅い刺鍼を組み合わせた。運動後の代謝回復を助けるため、脾・腎経の補法も併用。

結果2ヶ月間の継続施術で、朝のこわばりが半減し、運動後の背部のこわばりが回復しやすくなる。柔軟体操の効果も高まり、ストレッチ時の可動域が向上。再検査でも病状の進行は認められず、症状をコントロールできる状態を維持。

【感想】:「今後もサッカーを続けられる自信が持てた。早めに対応して本当に良かった」と語り、今も予防的に月1回のメンテナンス治療を継続中。

治療実例─5

患者60代女性(難治性ケース・発症から20年以上)病歴は20年以上と長く、ASによる腰椎の強直が進行し、ほとんど可動域が失われた状態。背部・腰部の硬直が強く、浅い呼吸・慢性的な倦怠感・不眠にも悩まされていた。

主訴これまで複数の医療機関で治療を受けてきたが、使用された薬はいずれも効果が限定的で、むしろ副作用に苦しんできた。「薬に頼らず、少しでも身体を動かせるようになりたい」という希望を持って来院。

治療週1回のペースで、脊柱起立筋群・横隔膜周囲・膀胱経に深部刺鍼を行い、筋緊張と可動域の回復を目指した。また、施術後に患者に合わせた無理のないストレッチ療法を併用。

結果初回の施術後から背中全体の圧迫感が軽減し、呼吸が少し深くなる感覚を実感。継続するうちに背中の緊張が次第に緩和され、深い呼吸が安定してできるようになった。5ヶ月目には睡眠の質が向上し、食欲も戻り始める。

【感想】:「ここ数年感じたことのなかった「呼吸のしやすさ」に驚いた。食事も美味しく感じられるようになり、生活が少しずつ前向きに変わってきた」と話された。

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AS(強直性脊椎炎)に対する中国鍼灸の可能性

強直性脊椎炎(AS)は、日常生活に深刻な影響を及ぼす慢性炎症性疾患であり、薬物療法では副作用や効果の限界があることも少なくありません。当院「中国鍼灸・健身院」では、中国伝統医学に基づいた鍼灸治療を通じて、筋・関節の柔軟性回復、気血の調整、免疫バランスの改善を図り、患者一人ひとりに合わせた施術を行っています。

これらの症例からも分かるように、鍼灸には単なる「痛み緩和」にとどまらず、可動域の改善、生活の質の向上、薬に頼らない体づくりといった多面的な効果が期待できます。

鍼灸治療コースと料金

 

強直性脊椎炎の治療では、局所だけでなく全身の調整が重要です。以下のコースをおすすめしております:

 

二箇所コース  (70分):8,800円(税込)

• 三箇所以上コース(90分):10,800円(税込)

 

※患者様の状態に合わせて施術を行いますので、まずはご相談ください。 

 

◆ ご相談・ご予約について

 

強直性脊椎炎に関するお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。初期症状であっても、長期経過後の難治性ケースでも、当院では豊富な経験と臨床実績をもとに誠実に対応させていただきます。

 

 ご予約・お問い合わせ:03-3498-6788

住所:東京都渋谷区渋谷1-24-5 ドクターズビル8F(健身院)

 診療時間:11:00~20:30(完全予約制)