繰り返す胸焼け・呑酸に中医鍼灸
「食後に胸焼けがする」「酸っぱいものが喉まで上がってくる」「げっぷや喉の違和感が続く」「薬を飲むと落ち着くが、また症状を繰り返す」――このようなお悩みはありませんか。
逆流性食道炎は、胃内容物が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症やびらんなどを起こす疾患です。胸焼けや呑酸が代表的な症状ですが、げっぷ、みぞおちの不快感、喉の違和感、声のかすれ、咳などを伴うこともあります。
一方、胃カメラで明らかな食道炎がみつからなくても、胸焼けや呑酸などの逆流症状が続く「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」の場合もあります。
中国鍼灸・健身院では、消化器内科での診断やPPI・P-CABなどによる治療を尊重しながら、胸焼け、呑酸、げっぷ、胃もたれ、ストレス、便通などを確認し、中医学の弁証に基づいて鍼灸を補完的に行います。
特に、薬物治療を受けても症状が残る場合や、内視鏡では大きな異常がないものの逆流症状を繰り返す場合には、医療機関で原因を確認したうえで鍼灸を併用する方法があります。

このようなお悩みはありませんか?
- 食後に胸焼けがする
- 酸っぱい液体が喉や口まで上がってくる
- げっぷが頻繁に出る
- 喉のつかえ・違和感がある
- 横になると症状が強くなる
- 夜中に胸焼けで目が覚める
- 胃もたれや膨満感もある
- 胃カメラでは大きな異常がないと言われた
- 薬物治療を受けても症状が残っている
- ストレスが強いと症状も悪化する
逆流性食道炎・GERDとは
胃食道逆流症(GERD)は、胃の内容物が食道へ逆流することで、胸焼けや呑酸などの症状や食道粘膜の傷害が起こる疾患です。
食道と胃の境目には下部食道括約筋(LES)があり、通常は胃内容物が食道へ逆流しにくいように働いています。GERDでは、一過性のLES弛緩、食道裂孔ヘルニア、腹圧の上昇など複数の要因が関係します。
GERDでみられる主な症状
- 胸焼け
- 呑酸
- げっぷ
- みぞおちの不快感
- 食後の膨満感
- 喉の違和感
- 声のかすれ
- 慢性的な咳
- 睡眠中の逆流症状
逆流性食道炎とNERD
胃食道逆流症には、内視鏡で食道粘膜のびらんなどが確認される「逆流性食道炎」と、典型的な逆流症状があっても内視鏡で明らかな粘膜傷害を認めない「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」があります。
「胃カメラでは異常がない」と言われたからといって、胸焼けや呑酸の原因が必ずなくなったという意味ではありません。症状が続く場合には、必要に応じてさらに詳しい評価が行われます。
まず消化器内科で確認
胸焼けや呑酸はGERDによくみられる症状ですが、ほかの食道・胃疾患でも似た症状が出ることがあります。
逆流性食道炎では、症状の程度や経過に応じて上部消化管内視鏡検査などで食道・胃の状態を確認します。
医療機関で確認したいこと
- 逆流性食道炎の有無・程度
- 食道裂孔ヘルニアの有無
- 胃・十二指腸の状態
- 非びらん性胃食道逆流症(NERD)の可能性
- 現在服用している薬
- 症状と食事・姿勢との関係
- 必要に応じた24時間食道pH・インピーダンス検査
- 治療抵抗性の場合の他疾患との鑑別
早めに医療機関へ相談したい症状
- 食べ物が飲み込みにくい
- 飲み込むと痛い
- 原因不明の体重減少がある
- 吐血がある
- 黒い便が出る
- 繰り返す嘔吐がある
- 貧血を指摘されている
- 強い胸痛がある
特に突然の強い胸痛、息苦しさ、冷汗などを伴う場合には、GERDだと自己判断せず、心臓などの緊急疾患も考えて速やかに医療機関を受診してください。
長期間のGERDではバレット食道などがみられる場合もあるため、必要な内視鏡検査を受けながら管理することが大切です。
検査・状態の確認
GERDは症状、内視鏡所見、治療への反応などをもとに評価されます。症状が治療に反応しない場合には、さらに詳しい検査が検討されることがあります。
医療機関で行われる主な評価
- 胸焼け・呑酸などの症状評価
- 上部消化管内視鏡検査
- 食道裂孔ヘルニアの確認
- 必要に応じた食道pHモニタリング
- 必要に応じた食道インピーダンス・pH検査
- 必要に応じた食道内圧検査
当院で確認するポイント
- 胸焼け・呑酸の程度
- 症状が出る時間帯
- 食事との関係
- 横になった時の症状
- げっぷ・胃もたれ・膨満感
- 喉の違和感・咳
- 便通
- 食欲
- 睡眠
- 精神的ストレス
- 医療機関での診断・治療内容
- 舌・脈など中医学的な状態
症状だけを見るのではなく、生活習慣と全身状態を含めて確認し、中医学的な弁証を行います。
当院の逆流性食道炎鍼治療
逆流性食道炎の標準治療では、胃酸分泌を抑えるPPIやP-CABなどが用いられます。
なお、タケキャブ(ボノプラザン)はP-CAB、ネキシウム(エソメプラゾール)はPPIに分類されます。当院では処方薬の中止を目的として鍼灸を行うのではなく、消化器内科での治療を尊重しながら併用します。
GERDに対する鍼灸については、症状や食道運動を対象とした臨床研究が行われています。2023年のランダム化比較試験では、治療抵抗性GERD症状を持つ患者に対する鍼治療後に、下部食道括約筋や食道運動の指標、GERD症状スコアの変化が報告されています。
一方、系統的レビュー・メタ解析では症状改善を示唆する結果があるものの、研究間のばらつきが大きく、エビデンスの確実性が低いという課題もあります。
そのため当院では、鍼灸がGERDそのものを治す、あるいは薬を必ず減らせると説明するのではなく、病院治療と併用しながら胸焼け・呑酸・胃腸の不快感などの症状緩和を目指します。
治療で重視すること
- 消化器内科での診断・治療を確認する
- 胸焼け・呑酸の程度と時間帯を確認する
- 食事・姿勢・睡眠との関係を確認する
- 胃もたれや便通など消化器全体を確認する
- ストレスとの関係を確認する
- 舌・脈から中医学的な状態を見極める
- 症状・体質に合わせて使用するツボを調整する
- 病院の薬物療法を尊重する
副院長の姚依文は南京中医薬大学大学院を修了した医学博士で、院長・副院長とも中国での臨床経験を基礎に中医鍼灸を行っています。
胃腸と全身状態に合わせた選穴
当院では、胸焼けだけをみて一律に同じツボを使うのではなく、呑酸、げっぷ、胃もたれ、便通、冷え、ストレスなどを確認して使用するツボを組み合わせます。
1 中脘(ちゅうかん)
みぞおちとへその間にあるツボ
【役割】
- 胃の不快感への対応
- 胃もたれ・膨満感への対応
- 中医学で胃の働きを整える
2 足三里(あしさんり)
膝の外側下方にあるツボ
【役割】
- 胃腸症状への対応
- 食欲・胃もたれなどの状態調整
- 全身状態を整える
3 内関(ないかん)
手首の内側にあるツボ
【役割】
- 吐き気への対応
- 胸部・胃部の不快感への対応
- 緊張を伴う胃腸症状への対応
4 太衝(たいしょう)
足の甲にあるツボ
【役割】
- ストレスを伴う症状への対応
- 肝気鬱結などの状態調整
- 全身の気の巡りを整える
このほか、内関、足三里、中脘、肝兪、胃兪、上脘、公孫などを、症状や中医学的な状態に応じて使用します。
鍼灸によって下部食道括約筋や胃の運動が必ず正常化するという意味ではありません。GERDに対する鍼刺激と食道運動・自律神経との関係は現在も研究されています。
治療の流れ
- Step 1
病院での診断を確認
内視鏡検査の結果、食道裂孔ヘルニアの有無、現在使用しているPPI・P-CABなどの治療内容を確認します。
- Step 2
症状を詳しく確認
胸焼け、呑酸、げっぷ、胃もたれ、喉の違和感、食事や姿勢との関係などを確認します。
- Step 3
中医学的な弁証
舌・脈、食欲、便通、睡眠、ストレスなどを確認し、肝胃不和、肝胃鬱熱、脾胃虚弱などの状態を見極めます。
- Step 4
中国鍼灸施術
中脘、内関、足三里、肝兪、胃兪、上脘、公孫などから、状態に応じてツボを選んで施術します。
- Step 5
施術後の確認
胸部や胃部の不快感、げっぷ、腹部の張りなどを確認します。
- Step 6
生活習慣と経過を確認
食事、就寝時間、姿勢なども確認しながら、次回の施術内容・通院時期を調整します。
食事・生活習慣のポイント
GERDでは薬物療法や鍼灸だけでなく、逆流を起こしやすい生活習慣を見直すことも重要です。
- 一度に食べ過ぎない
- 夜遅い食事を避ける
- 食後すぐに横にならない
- 自分の症状を悪化させる食品を把握する
- 脂肪分の多い食事を摂り過ぎない
- アルコールで症状が悪化する場合は量を控える
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- 夜間症状がある場合は上半身を少し高くして寝る
- 腹部を締め付け過ぎない
- 体重過多がある場合は適正体重を目指す
辛いもの、甘いもの、コーヒーなどについては、すべての方が一律に禁止する必要があるわけではありません。食べた後に症状が悪化するものを確認し、それぞれに合わせて調整することが大切です。
処方されているPPIやP-CABなどは、症状が軽くなったからといって自己判断で中止せず、減量や変更については医師へ相談してください。
逆流性食道炎の治療実例
病院で逆流性食道炎と診断され、薬物療法後も症状を繰り返していた40歳男性の治療例です。
- 治療実例─1 ゲップ・胸焼け・呑酸
患者 40歳男性・営業職
病名 逆流性食道炎
経過 半年前から、口の中に酸っぱい液体がこみ上げてくる感じが続いていました。病院で逆流性食道炎と診断され、制酸薬などを処方されて症状はいったん落ち着きましたが、約3か月服薬を休止した後に再び悪化しました。
症状 呑酸、げっぷ、食後の胸焼けのほか、イライラ、口の渇き、便秘などがみられました。
中医評価 舌の先が赤く、薄い黄色の舌苔がみられました。中医学では「肝火内鬱」による呑酸と考え、「清肝泄火」を治療方針としました。
施術 主に中脘、天枢、内関、足三里、肝兪、胆兪などを使用しました。
5回目 口の渇きや胸焼けが軽減し、便通にも変化がみられました。
10回目 胸焼けがみられなくなり、以前よりイライラが少なくなり、呑酸も軽減しました。
20回目 本人を悩ませていた諸症状はほとんどみられなくなりました。
※これは一例の治療経過です。同じ回数・期間で同様の変化が得られることを保証するものではありません。また、処方薬の中止・変更は医師の判断のもとで行う必要があります。
当院の逆流性食道炎治療の特徴
| お悩み | 中国鍼灸・健身院の対応 |
|---|---|
| 薬を使用しても症状が残る | 消化器内科での治療状況を確認しながら、鍼灸を補完的に行います |
| 胃カメラでは大きな異常がない | NERDなども含め、病院での評価内容と症状の出方を確認します |
| ストレスで症状が悪化する | 肝胃不和・肝胃鬱熱など中医学的な状態を確認します |
| 胃もたれや便通も気になる | 胸焼けだけでなく消化器全体と全身状態を確認します |
- 消化器内科での診断・治療を尊重
- 中医学の弁証論治に基づく施術
- 胸焼け・呑酸だけでなく胃腸全体を確認
- ストレスや睡眠など全身状態も確認
- 一人ひとりに合わせてツボ・刺激量を調整
- 医療機関での薬物療法との併用が可能
- 院長・副院長による長年の臨床経験
- 全疾患合計で延べ154,100人以上の施術実績
通院回数・治療ペース
逆流性食道炎の症状は、食道炎の程度、症状が続いている期間、食道裂孔ヘルニアの有無、薬物療法への反応、生活習慣などによって異なります。
そのため、当院では「何回で改善する」と一律に決めるのではなく、初診時の症状と施術後の経過を確認しながら通院ペースを調整します。
早い段階で胸焼けやげっぷなどの変化を感じる方もいますが、慢性的な症状では一定期間、経過をみながら施術内容を調整することが大切です。
上記の治療実例では、5回、10回、20回と経過を確認しながら施術を継続しましたが、これはその患者様の一例です。
※症状が悪化する場合や、嚥下困難、体重減少、出血など新しい症状が出た場合には、通院回数を増やすのではなく消化器内科での再評価を優先してください。
治療コース・料金
逆流性食道炎の治療では、胸焼け・呑酸などの消化器症状だけでなく、胃腸の状態、ストレス、睡眠、便通など全身状態も確認するため、中医鍼灸の70分または90分(Standard)コースをおすすめしています。
- 初診料:2,200円(税込)
- 中医鍼灸コース(70分):
8,800円(税込) / 74,800円(10回券・15%OFF) - 中医鍼灸コース(90分):
10,800円(税込) / 91,800円(10回券・15%OFF)
詳しくは治療コース・料金表をご覧ください。
よくあるご質問
胃カメラで異常がなくても逆流性食道炎のような症状は出ますか?
逆流性食道炎に鍼灸は効果がありますか?
タケキャブやネキシウムを飲みながら鍼灸を受けられますか?
鍼灸を受ければ薬を減らせますか?
どのくらいで変化を感じますか?
食事制限は必要ですか?
中医学でみる逆流症状
中国医学では、胃酸などが口や喉まで上がってくる症状を「呑酸」「吐酸」などとして捉えてきました。
呑酸(どんさん)
酸っぱいものが喉や口まで上がってきて不快に感じる状態です。
吐酸(とさん)
酸っぱい胃内容物が口まで上がり、吐き出すような状態を指します。
中医学では、胃の内容物を下へ送る働きが乱れ、「胃気上逆」が生じることでこのような症状が現れると考えます。
主な中医学的タイプ
1 肝胃鬱熱
ストレスやイライラが強く、胃の症状も悪化しやすいタイプ
【みられやすい状態】
- 呑酸・げっぷ
- 胸部や脇の張り
- イライラ
- 口の渇き
2 飲食不節
食べ過ぎ、脂っこい食事、飲酒など食生活の乱れが関係するタイプ
【みられやすい状態】
- 胸焼け
- 胃の灼熱感
- 胃もたれ
- 便通の乱れ
3 脾胃虚弱
胃腸が弱く、疲労や食欲低下を伴いやすいタイプ
【みられやすい状態】
- 胃もたれ
- 食欲不振
- 疲れやすい
- 軟便など便通の乱れ
4 痰湿・気滞を伴うタイプ
喉のつかえや胸部の不快感などを伴うタイプ
【みられやすい状態】
- 喉の異物感
- 胸のつかえ
- 吐き気
- ストレスで症状が変化する
※これらは中医学における病態の捉え方であり、西洋医学上の診断名や病態分類とは異なります。
参考文献・参考情報
- 日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021」
- 日本消化器病学会「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」
- Acupuncture Improved the Function of the Lower Esophageal Sphincter and Esophageal Motility in Chinese Patients with Refractory Gastroesophageal Reflux Disease Symptoms: A Randomized Trial. 2023.
- Does Manual Acupuncture Improve Gastroesophageal Reflux Disease Symptoms? A Trial Sequential Meta-Analysis. 2025.
- Acupuncture provides a safe strategy to minimize proton pump inhibitor dose in resistant gastroesophageal reflux disease: randomized controlled trial. 2026.
- WHO Benchmarks for the practice of acupuncture
※WHOの文書は鍼灸の実践・安全性等に関する基準を示すものであり、逆流性食道炎に対する鍼灸の有効性をWHOが認定しているという意味ではありません。
逆流性食道炎は、胸焼けだけでなく、呑酸、げっぷ、喉の違和感、睡眠への影響など生活の質を大きく低下させることがあります。
中国鍼灸・健身院では、消化器内科での診断・PPIやP-CABなどの治療を尊重しながら、中医学の弁証に基づき、胃腸症状と全身状態を確認して鍼灸を行います。
病院治療を続けながら中医鍼灸を補完的に取り入れたい方はご相談ください。
この記事の監修・執筆者

院長 朱錫龍(シュ・シロン)
鍼灸歴40年 /
上海中医薬大学卒 元主治医
はり師:第137701号 /
きゅう師:第137515号

副院長 姚依文(ヤオ・イーウェン)
鍼灸歴34年 /
南京中医薬大学大学院修了 医学博士
はり師:第115967号 /
きゅう師:第115884号
