足底筋膜炎

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当院独自の刺鍼法で痛みを取り除きます

医師でタレントの西川史子さんが足底筋膜炎を患い、痛くてたまらず、韓国旅行を中止したという話がありました。「足底筋膜炎」という病名をこのニュースで初めて知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは足の裏に膜のように張っている腱が炎症を起こし、小さな断裂ができることで激しい痛みを生じる病気です。マラソン選手などによく見られますが、40〜50代の女性に多い病気でもあります。足底筋膜症の場合、鍼灸治療が大変有効ですが、普通に鍼を刺すと強い痛みを感じます。そこで当院では独自の刺鍼法や灸を使い、患部の血流を良くして痛みを緩和します。

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足底筋膜炎の原因と症状

足の裏には、かかとから足の指のつけ根までピンと張っている薄い腱があります。これが「足底筋膜」で、アーチ状の足の甲の骨を支え、バネのようにショックを吸収する役割を果たしています。そのため、スポーツなどによる使いすぎや、長時間の歩行、立ち仕事、あるいは年齢に伴う劣化によって、この腱にひびが入って炎症を起こし痛くなるのです。また中高年の患者様の場合は、かかとの骨が変形し、骨棘ができていることもあります。症状は主にかかとの痛みですが、ほとんどの患者様が朝起きて最初の一歩目を踏み出したときに鋭い痛みを感じています。この痛みは歩くうちに徐々に和らぎますが、歩行量が増える夕方にまた痛み始めます。

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足底筋膜炎の治療

まず足の酷使を止めて休息をとるのが基本、そのうえで痛みを和らげるため消炎鎮痛剤を服用するのが一般的です。痛みが激しい場合はステロイド薬の局部注射が行われてきましたが、最近では、かえって腱膜の断裂を招く怖れがあるという理由で、あまり使われなくなってきました。あとはストレッチや足の形に合う靴を履く、靴に中敷きを入れるなどで対処しています。ただ実際には、こうした対処法ではなかなか治らない患者様も多く、症状が慢性化する場合も少なくありません。医師でもある西川さんはインスタグラムに、「湿布と痛み止めの薬しかないようです」とお書きになっていましたが、私たちからすれば、「鍼灸治療を忘れてもらっては困りますよ」と思ってしまいます。実際、この病気の治療には鍼灸が効果的で、保存療法(手術を伴わない治療)のなかでは一番有効だろうと自負しています。

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中国鍼灸と健身院の治療法

足底筋膜炎は中国では「足根痛」と呼ばれ、「痺症」というカテゴリーに入ります。 日頃の過労や立ち仕事、扁平足などが原因で足底部周辺が気血阻滞の状態、つまり気血の流れが悪くなってしまい、不通則痛(流れが悪くなって起こる痛み)が生じると考えます。

当院では足底筋膜炎の患者様に対しては、舒筋活血(血行を改善し、気の通り道である経絡を通じさせる)、化瘀通络(瘀血を溶かし、経絡開通する)を主な治療方針としています。そのため、阿是穴(足の底にある指で押すと痛む場所)を中心に、太谿、照海、然谷など足底部の周辺のツボに治療を施しますが、足底筋膜炎の場合は、普通の鍼の刺し方では患者様が強い痛みを感じてしまいます。そこで当院では独自の刺鍼法や患部への灸を使うことで患部の血流を改善、患者様のつらい痛みを和らげることを最優先に治療を行なっています。