顔のピクピクが止まらない?中医学で考える原因と対策

寒さが厳しくなると、顔の筋肉がピクピクとけいれんするような症状に悩まされる方がいます。この症状が長引く場合、中医学では「顔面けいれん」として次のような原因が考えられます。

 

一つ目の原因は「風寒の邪気」が体に侵入することです。冷たい風や寒さが筋肉や経絡(けいらく)に影響を与え、血液や気の流れを滞らせてしまいます。この滞りが顔の筋肉に影響を及ぼし、けいれんが起きるとされています。

二つ目の原因は「正気不足」や「気血の虚弱」です。体全体のエネルギーや栄養が不足していると、顔の筋肉も十分に養われません。その結果、筋肉が過敏になり、ピクピクとけいれんを起こすのです。

三つ目は「肝腎(かんじん)の陰」が不足し、バランスが崩れることです。中医学では、体の陰と陽は調和を保つ必要があるとされていますが、陰が不足すると陽が過剰に高まり、これがけいれんの引き金になることがあります。この状態を「陰虚陽亢(いんきょようこう)」と呼びます。たとえば、水(陰)が不足して木(陽)を潤せなくなるイメージです。

さらに、これらの状態が長引くと、血液が筋肉や経絡に十分に行き渡らず、筋肉が養われなくなります。これが悪循環を引き起こし、けいれんの症状が慢性化する原因の一つとなります。

 

中医学では、こうした「顔面けいれん」を改善するために、風寒の邪気を追い払い、気血の流れをスムーズにし、体全体の陰陽バランスを整える治療が行われます。生活習慣の見直しや適切な治療を取り入れることで、症状の改善が期待できるでしょう。

 

寒さが厳しい時期は、体を冷やさないよう心がけ、バランスの取れた食事や十分な休息を心がけることが大切です。顔のピクピクにお悩みの方は、中医学の考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか?