関節痛は即効性のある中国鍼灸で治す
首、肩、肘、膝、股関節、手首、足首…関節に痛みを生じる原因は様々あります。例えば関節炎は炎症や外傷などによって関節に痛みを生じる病気です。
過剰な運動などが原因の関節障害、逆に運動不足や加齢によって関節が変形することでも起こります。一方、手根管症候群や足根管症候群など、神経が圧迫されることによって関節に痛みを生じる病気もあります。
こうした関節痛には鍼灸による治療が極めて効果的です。鍼には神経の働きや血流をコントロールする作用があり、痛みや炎症を和らげることができるのです。
1.関節痛の種類と原因、主な症状
関節に痛みをもたらす疾患は様々あります。関節炎の例を挙げれば次のようなものです。
① 四十肩、五十肩
いわゆる四十肩、五十肩は、正式には肩関節周囲炎といいます。
加齢にともない、肩関節とその周辺の組織が慢性的な炎症を起こし、
腕を上げたり、後ろに腕を回す動作が痛みのために制限されます。
② 変形性膝関節炎(膝痛)
加齢による関節の変形や肥満で過剰な体重の圧力がかかることによって、膝関節の軟骨がすり減り、関節が変形や炎症を起こし、痛みを生じます。膝痛のなかで最も多いのがこの病気で、特に女性に多くみられます。
③ 顎関節症
あごが痛む、口を開けることができない、あごを動かすとカックンと音がする、これを顎関節症の三大症状と呼んでいます。20~40歳の女性に多く発症しますが、疫学調査によれば人口の7〜8割が顎に何らかの症状を抱えているそうです。
④ 関節リウマチ
感染症を引き金に全身的な免疫異常が発症、関節に慢性的な炎症が起こって痛みや変形が生じます。関節の強ばりや腫れ、痛み、筋肉の硬直などの症状が現れます。これも女性に多くみられる病気です。
⑤ 化膿性関節炎
ケガなどが原因で、関節に細菌が入り込み、関節が化膿して炎症を起こします。関節が炎症によって赤く腫れ、痛みが生じ、症状が進行すると関節が破壊されて固まり、日常生活に支障をきたすこともあります。
⑥ 痛風
アルコールや肉、魚などに含まれるプリン体のとり過ぎや水分不足などによって、血液中の尿酸値が高い状態が続き、血液に溶けきれない尿酸が結晶化して関節に溜まり炎症を起こします。足の親指付け根が突然激しく痛みだし、赤く腫れ上がる発作で始まります。
⑦ 股関節痛(変形性股関節症)
患者様の多くは中高年期を迎えた女性で、股関節痛の原因の約8割がこの病気です。立ち上がるときや歩き始めに痛みを感じたら変形性股関節症が疑われます。放置しておくと痛みがひどくなってきて、長い距離を歩けなくなるのはもちろん、長時間立っているだけでもつらくなります。
⑧ 捻挫
関節の周囲にある靭帯に無理な力が加わり、靭帯の組織が切れた状態です。足首の関節に起こることが多く、腫れや痛みの症状があらわれます。靭帯が完全に切れてしまった場合は、関節がガクガクと不安定になり、手術で切れた靭帯をつなぐ必要があります。
一方、手根管症候群や足根管症候群は神経が圧迫されて痛みを生じる病気ですが、
手首や足首など関節の痛みとして認識されることが少なくありません。
⑨ 手根管症候群
手首の使い過ぎなどが原因で手指のしびれや痛み、運動障害を生じます。手首の内側を走っている正中神経がなんらかの要因で圧迫されて起こります。リウマチの症状とよく似ていて、指のしびれや知覚異常、痛みが主ですが、人によっては手首の関節痛として認識されることもあります。
⑩ 足根管症候群
くるぶしの内側を走っている脛骨神経が圧迫されて、痛みやしびれを生じる病気です。くるぶしの周辺に激しい痛みを感じます。
⑪ 橈骨神経麻痺
腕の動きを支配する神経のひとつ、橈骨神経の領域が麻痺する病気です。手首に力が入らなくなって垂れ下がったままになってしまうのが主な症状ですが、人によっては手首関節周辺の痛みとして認識されることもあります。
⑫ 腱鞘炎
スマホの使い過ぎで親指を酷使するのが原因で最近特に増えている病気です。指を曲げる腱を覆っている「さや」が繰り返し機械的な刺激を受けることによって炎症を起こした状態をいいます。発症当初は親指を動かしづらい程度ですが、やがて親指の付け根が痛み始め、放置すると痛みは手首にまで拡大していきます。
つづく