突発性難聴に対する中医学的アプローチと治療経過

患者 50代 男性 K様
先月23日より、突然右耳が聞こえなくなり、耳鳴りも併発しました。耳鼻科で診断を受けたところ、突発性難聴とされ、ステロイド剤の点滴治療を行いました。原因は不明ですが、前立腺がんの薬を服用しているため、免疫力の低下が一因と考えられます。
当院での治療方針:
突発性難聴は、中医学の理論に基づき、「虚症」と「実症」に分類されます。この症例は、ホルモン剤の長期投与による「腎精消耗」が原因で、精気が耳まで届かないことで突然の難聴が引き起こされた「虚症」に該当します。したがって、治療方針としては「補益腎精」を採用し、腎精を補うことで体質の改善を図り、全身の滋養を促進して免疫力を向上させることを目指しました。
治療経過:
初回と2回目の治療では大きな変化は見られませんでしたが、3回目の治療後から耳鳴りの症状が軽減し始め、5回目の時点ではほとんど耳鳴りを感じなくなりました。7回目には聴力が回復し、11回目の治療で完全に耳が聞こえるようになりました。
現在の状況:
適切な診断と治療が重要であることを改めて感じました。現在は免疫力を高めるため、前立腺の治療も併せて当院に通院されています。