梅雨の過ごし方

今年も鬱陶しい季節がやってきましたね。しかも、今日は東京都心で35℃以上の気温が観測され、今年初の猛暑日となりました。この厳しい暑さは日曜日まで続く見通しで、熱中症に注意が必要です。熱中症を防ぐために、こまめな水分補給と休憩を心がけましょう。

 

今日は東洋医学の観点から見た「梅雨」の過ごし方について書いてみましょう。高温多湿のこの時期は、「湿邪」(湿の悪い気)と「暑邪」(暑い悪い気)が交互に現れてくるのが特徴です。これが梅雨に健康を崩しやすくなる大きな要因です。

 

まず、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、そのため体内に熱がこもって「湿邪」となります。「湿邪」になると、めまいを起こしやすくなったり、胃痛や息苦しさを感じるようになったりします。ひどくなると痙攣が起こり、視界がぼやけることもあります。

 

一方、「暑邪」は、身体の気が上昇し、「熱の症状」が出やすくなることをいいます。熱中症の症状だと考えるとわかりやすいでしょう。顔が真っ赤になり、火照りを感じ、脈が速くなって喉が渇きます。倦怠感を覚え、悪化すると嘔吐する場合もあります。

 

こうした暑湿の邪気によって最も影響を受けやすい臓器は「脾」と「胃」です。梅雨どきには、よく食欲不振に陥ったり、お腹が張る、下痢など消化器系の症状が出ます。倦怠感や眠気などの症状を伴うことが多く、中医学では「湿邪中阻」と呼んでいます。また梅雨は食中毒が出やすい季節でもあります。

 

以上の理由から、この時期はいつもより飲食に気を遣い、運動を心がけることで、脾胃病を予防する必要があります。適度な運動は体内の毒素を汗とともに流してくれます。ただし、過度の疲労は湿邪が入りやすくなるので、運動のし過ぎは逆効果です。

 

食事では、生野菜や冷たい飲み物の摂り過ぎに気をつけましょう。なるべくなら胃に優しい温かい食べ物がいいでしょう。また、暖かく香りのある飲み物も良いと思います。ジャスミン茶やハーブティーなどもお勧めします。

 

この時期、当院ではハーブティーをお出ししています。ぜひお試しください。