慢性前立腺炎でお悩みの方に

当院は開院以来、慢性前立腺炎の治療に力を入れ、実際に大変多くの患者様に来院していただき治療を行なってきました。これだけ多くの患者様に来ていただいているのは、慢性前立腺炎の大半を占める非細菌性炎症は難治性疾患のひとつで、原因がはっきりしないため西洋医学での治療に限界があるからです。


この病気は多くが急性前立腺炎から始まり、完治せずに長引いたのが原因で起こります。大勢の患者様が泌尿器科でもらった薬を長いあいだ飲み続けたにもかかわらず、下腹部や会陰部、尿道がヒリヒリ痛む感覚、前立腺部の圧痛や頻尿などの症状に苦しんでいらっしゃいます。鍼灸(東洋医学)の方が西洋医学より優れていると主張するつもりはありませんが、例えばいわゆる「不定愁訴」のように、西洋医学では原因を確定できず、従ってこれといった治療手段も見当たらない疾患もあります。非細菌性の慢性前立腺炎もそうした西洋医学が苦手とする病気のひとつで、鍼によって高い治療効果が期待できます。要は鍼灸など東洋医学と西洋医学は相互補完の関係にあると考えるのがいいでしょう。

一般に鍼治療は、どの経絡(気の通り道)に属するどのツボを使うか、ツボとツボとをどう組み合わせるかが非常に重要です。肝・心・脾・肺・腎の「五臓」、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の「六腑」それぞれに相応するツボがありますが、慢性前立腺炎の場合は腰の両側にある膀胱兪と下腹部にある中極を組み合わせると効果的であることが長年の臨床研究によって判明しています。また、前立腺や生殖系の疾患には、経絡のなかでも「足の少陰肝経」「足の少陽胆経」が深く関係しています。そうすると、五臓六腑の病気に応じて反応が現れるツボ(原穴といいます)は太衝、疾病に際して反応が強く現れるツボ(絡穴と呼びます)は光明穴ですので、この二つツボを一緒に使うことでより効果的な治療を行なうことができます。

こう書くと、そんな企業秘密を書いて大丈夫かと心配してくださる方がいらっしゃるかもしれません。いえいえ、御心配には及びません。鍼灸術はこの病気ならこのツボに鍼を打てば治るというほど単純なものではないのです。患者様一人一人の症状に応じてツボの選定を変えなければなりませんし、鍼を入れる角度や深さ、与える刺激の強弱等の微調整を行う必要があります。口幅ったいようですが、そうした場合にものをいうのが施術者の技量と経験です。健身院においでになる慢性前立腺炎の患者様のうちおよそ半分は、前に他の鍼灸院で治療を受け、期待したほどの効果が上がらなかった人たちです。そのため罹患してから長い時間が経った方が多いのですが、それでも、平均すれば10~20回ほどの治療で完治しています。

慢性前立腺炎で初めて診察を受ける患者様にいつも申し上げるのは、鍼治療は3回前後で治療効果が実感でき、10回の治療で、人によって違いますが当初の症状が5割から8割がた改善、その後はどんどんよくなっていくのがわかるはずだということです。そして実際に治療を始めると、ほとんどの場合、みなさん驚いたような顔で「先生、本当によくなったんです」と話してくださいます。鍼灸医療に携わる者として一番嬉しく思えるときですね。慢性前立腺炎に苦しんでいらっしゃる方で、病院で処方された薬を飲んでも一向に症状が改善しない方、他の鍼灸院で治療を受けても効果を実感することができない方は、ぜひ当院にご相談ください。