山菜王国・北海道

ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか。私は北海道の釧路に行ってきました。北海道は山菜がおいしい季節を迎えていました。地元の人たちは山菜採りを楽しみにしていますが、車の運転ができない私は、専ら駅前の市場で買い出しです。それでも、旬のギョウジャニンニクをはじめ、コゴミ、ハマボウフウ、山ミツバなどを大量に買い込んで、おいしくいただきました。
ハマボウフウ(浜防風=写真上)は私たち中国人には漢方薬の原料としてお馴染です。セリの仲間で、特に根の部分に、解熱、鎮痛、去痰、発汗、利尿、胃腸機能の改善などの作用があります。日本全国の砂浜に自生していますが、近年は環境の変化や乱獲のため減っているようです。軽く茹でて三杯酢や酢みそに和えて食べます。独特の香りとほんのりとした苦味があり、健康と美味しさを同時に楽しむことができます。 
下の写真はギョウジャニンニクとコゴミです。このギョウジャニンニクがおいしく滋養も豊富であり、私は山菜のチャンピオンではないかと思っています。本州でも東北地方や長野県の山間部などで見られますが、北海道では特に好まれている山菜です。和名のギョウジャニンニクは、山伏などの修験者が食べて栄養をとり、厳しい修業に耐える体力を養ったことからきたそうです。アイヌ語ではプクサ、キトと呼ばれ、ギョウジャニンニクの産地を意味する 「キトウシ」という地名が道内各地にあると聞きました。名前の通り分類的にはニンニクに近い植物で、抗菌作用を持つアリシンの含有量はニンニク以上です。アリシンにはビタミンBの吸収を助ける役割もあり、滋養強壮や疲労回復にも効果があります。免疫力を高め、発ガンを抑える効果もあるようです。
茹でておひたしにしたり、天ぷらにして食べるのが人気で、醤油に漬け込んで保存食にする人も少なくありません。 醤油にギョウジャニンニクのエッセンスが沁み出すので、この醤油を炒飯などに使うとこれがまたおいしいのです。 私はよくこの時期にギョウジャニンニクと豚のひき肉とで餃子を作ります。思いのほかシンプルな味わいで、いくらでも食べられます。大量に作って冷凍庫に入れておけば、チンで解凍して長期間にわたって栄養補給できます。 ただし、ニンニク同様、独特の強い香気があるので、人と会う前日は気をつけた方がいいかもしれませんね。