季節の変わり目に役立つ立春養生法

 

この時期は、感染症が流行しやすい季節です。予防のためには、こまめな手洗い・マスクの着用・十分な睡眠といった基本的な対策が欠かせません。しかし、それだけではなく、体の内側から免疫力を高めることも非常に重要です。

中医学では、生薬を活用することで免疫力を強化し、季節の変化に適応できる体づくりを目指します。

 

 

立春(りっしゅん)の養生

もうすぐ迎える立春(2月3日~17日)は、古代中国の知恵が詰まった二十四節気のひとつです。

「立」は「始まり」を意味し、「春気始めてこれを建つ」とされるように、春の訪れを告げる節気です。

陰陽五行では「木」に属し、と深く関係しているため、立春の養生では肝を守ることが大切になります。

おすすめの生薬

この時期におすすめなのが、**枸杞(クコ)、霊芝(れいし)、柴胡(さいこ)**などの生薬です。これらは、肝を養い、気の巡りを整える作用があるとされています。

枸杞(クコ)

 【性質・味】 甘味があり、性質は平性(温めも冷やしもしない)

 【帰経】 肝経・腎経に作用

 【効能】 肝と腎を滋養し、精を補い、視力を改善

 【主な適応】

 虚弱や精力の衰え

 腰や膝の痛み

 めまい、耳鳴り

 陽萎(インポテンツ)、遺精(無意識の精液漏れ)

 体内の熱による口渇(糖尿病の症状を含む)

 血虚による顔色の悪さ

 目のかすみや視力低下

 

雨水(うすい)の養生

毎年2月18日~3月4日雨水の節気にあたります。

この時期は、寒さが残り、湿気が徐々に増えてくるため、脾胃(消化器系)を整え、寒さと湿気を取り除くことが養生のポイントになります。

おすすめの生薬

この時期には、体を温め、気の巡りを促す「大棗(ナツメ)」を摂るのが最適です。

大棗(ナツメ)

 【性質・味】 甘味があり、温性(体を温める)

 【帰経】 脾・胃・心経に作用

 【効能】 気を補い、血を養い、精神を安定させる

 【主な適応】

 脾虚(消化器の機能低下)による食欲不振

 倦怠感や軟便

 婦人の「臓躁」(情緒不安定・イライラ・不眠など)

まとめ

この時期の養生には、立春には肝を整え、雨水には脾胃を守ることが重要です。

枸杞や大棗といった生薬を上手に活用しながら、季節の変化に負けない体づくりを心がけましょう。

少しでもお役に立てれば幸いです!