
不眠症は最も多い睡眠障害のひとつで、人口の約半数が不眠症と診断されており、その期間が3か月を超えるかどうかによって、慢性不眠症と急性不眠症に分けられ、女性や高齢者に多いとされています。慢性的な不眠症は、学業や仕事などに支障を伴うことがよくあります。
ここで不眠症に効果的なツボ療法をご紹介いたします。二つのツボを押すことで相乗効果が期待できます。
①『百会』
このツボは自律神経をコントロールする役割を果たします。両方の耳たぶの上端から頭頂部に向かって伸ばした線と鼻梁の中心を上に伸ばした線とが交わる場所にあり、少し窪んでいて、押すと柔らかい感触があります。この「百会」には三本の「陽」の経絡(気の通り道)が集まっています。
東洋医学では、夜眠れないのは体の陰陽のバランスが崩れるからだと考えます。このツボを刺激すると体内の陽の気が頭頂部に集まり、陰陽のバランスが回復します。中指で「百会」を押しながら時計回りに50回、逆回りにも50回、刺激してやりましょう。力加減はやや強め、痛みを感じる一歩手前ぐらいが適当です。毎晩寝る前に座って行うのがいいでしょう。
不眠のひどい方、頭痛を伴う方は、一日3セット行うようにしてください。
②『少衝』
手の小指の内側(薬指の側)の、爪の付け根から2ミリほど下のツボです。考えごとをしていて頭が冴えてしまい、眠れなくなったときに使います。この「少衝」は経絡で心臓とつながり、精神的な症状の治療によく使われます。ストレスを取り除き、深い眠りに誘ってくれるツボです。反対側の手の親指と人さし指で「少衝」を挟み込むようにして、やや強めにぐりぐりと1分ぐらい押してやります。両方の手をやるのがよいでしょう。
これを一日3回行うと、さらに効果が上がります。