メニエール病とメニエール症候群

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鍼治療と薬物療法との併用をお奨めします

メニエール病とは、目がまわるような激しいめまいと、難聴、耳鳴り、耳閉感の四つの症状が繰り返し現れる内耳の疾患です。19世紀のフランスの医師、プロスペル・メニエールが、めまいのなかに内耳に起因するものがあることを報告、メニエール病と呼ばれるようになりました。中国で行われた臨床実験では、薬物療法と同時に鍼灸治療を行なうとより高い治療効果を得られることが報告されています。

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メニエール病とメニエール症候群は

メニエール病を発症すると、下に挙げた四つの症状が同時に、しかも繰り返し起きます。

突発性難聴にかかる人のおよそ7割が発症前後に耳鳴りを伴います。場合によっては 一ヶ月以上耳鳴りが続くことも。

①めまい

立てないほどのめまいが数十分続く

②難聴 (特に低音が聞こえにくい)

③耳鳴り

④耳閉感

これらの症状はいったん治まっても再発し、数日から数ヶ月の間隔で繰り返されるようになります。発作に伴う付随的な症状として、吐き気、冷汗、動悸、顔面蒼白、温感異常等が起きます。メニエール病は40代で発症することが多く、男性に比べて女性の患者様がやや多い傾向にあります。

メニエール病の原因は内耳に起きる内リンパ水腫です。一方、内耳に内リンパ水腫がないもののメニエール病と似た症状が起きるケースを「メニエール症候群」と呼びます。メニエール症候群の原因には諸説あって、内耳の自律神経の異常だとする説、血行不全やリンパ圧昂進が原因だとする説、アレルギー説、水分代謝異常説などですが、いまだ充分には解明されていません。

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薬物療法とその限界

メニエール病の治療は薬物療法を中心に行われてきました。利尿剤やステロイド剤、精神安定剤を投与、症状がひどい場合は入院をしてこうした薬剤の点滴を行ないます。メニエール症候群に対しても主に薬物による対症療法が行われています。
しかし、メニエール病やメニエール症候群は反復することが多く、薬物による対症療法では限界があります。中国で行われた臨床実験では、薬物療法と同時に鍼灸治療を行なうとより治療効果があがることがわかりました。

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健身院のメニエール病治療

中国医学では、メニエール病やメニエール症候群は「眩暈」の範疇に属すると考えられており、原因は以下の三つだとされています。

①腎の陰が不足、肝の陽が亢進すること。

②体の気血が不足すること。

③体に湿気が集まり、痰を生じること。

当院では「通調清竅」をメニエール病治療の原則としています。「清竅」は、耳・目・鼻・口など頭部にある穴のことです。「通」は流通、「調」は調整ですから、耳から脳髄に通じている道がスムーズに通じるように調整するのです。そのため、手、脚にある「気」の通り道=経絡の「少陽経」にあるツボを中心に治療します。そのうえで症状に合わせて、背骨の両側に並ぶ「背兪」や、脚の内側を流れる経絡「厥陰経」、脚の外側の「太陽経」のツボを選びます。

鍼灸は「眩暈」の症状に対して優れた効果を発揮しますが、患者様も平素から充分に休息をとるよう心がけてください。また、特に湿痰によるメニエール病には、食べ過ぎは禁物です。脂の強い食べ物も避けるようにしましょう。

当院では、鍼治療と薬物治療との併用をお奨めします。中国での臨床実験でも明らかなように、効果的で迅速な治癒が期待できるからです。