原因不明の痛みには鍼灸治療が有効です
肋骨に沿って走る神経の周辺がなんらかの原因で痛むのが肋間神経痛です。肋骨の下の方を押すと痛みがあり、咳や深呼吸をするときに激しく痛みます。肋骨や脊椎の病気が原因とされますが、原因が判らないケースも少なくありません。大動脈瘤や胸膜炎など内科疾患が原因の肋間神経痛であれば原因疾患の治療が必要になりますが、運動不足などからくる肋間神経痛、原因がわからない痛み、とりあえず痛みを緩和したいときは、鍼治療が大変有効ですのでご相談ください。

肋間神経痛とは
「肋間神経痛」はよく耳にする言葉ですが、実は病気の名前ではありません。肋骨に沿って走る神経(肋間神経)の周辺がなんらかの原因で痛むことをいい、痛みの原因となる病気は別にあります。例えば、胸膜炎や大動脈瘤、帯状疱疹などの病気が肋間神経痛を引き起こしますが、運動不足や不自然な姿勢が原因で神経が骨や筋肉に締めつけられて痛む場合もあります。また原因不明のケースも少なくありません。症状としては、肋骨の下の方を押すと痛み(圧痛)があり、咳をしたり深呼吸をすることで痛みが激しくなります。
肋間神経痛の治療法
肋間神経痛を治すにはまず原因となる疾患を特定しなければなりませんが、これがなかなか難しいのが現実です。病院に行こうにも、外傷に原因がある場合は整形外科、胸膜炎や帯状疱疹であれば内科なので、特段の知識を持たない患者様は判断に困ります。また、狭心症と痛みの現れ方がよく似ているので間違いやすいという問題もあります。大動脈瘤などの内科疾患が原因の肋間神経痛であれば原因疾患の治療が必要ですが、運動不足などからくるもの、原因がはっきりしない場合、まず痛みを緩和したいときは、鍼治療が有効になります。
中国医学による肋間神経痛の分類
中国医学では肋間神経痛を「肋痛」と呼び、人体の気の通り道である経絡のひとつ、「足の厥陰肝経」と大いに関係があるものだと考えます。例えば肝気横逆による肋痛は、あばらの部分が膨満して痛みを感じます。痛む場所が不安定で変わりやすく、痛みの程度も感情の変化によって左右され、イライラしたり、不眠やのぼせなどの症状がでるのが特徴です。それに対して血瘀停着による肋痛は、あばらの部分に鋭い痛みがあり、痛む場所がいつも同じで変わりません。夜間に痛みが激しくなるのが特徴です。さらに肝陰不足による肋痛の場合は、あばら部分に常に鈍い痛みが続き、目がかすんだり、耳鳴りや手足のしびれなどの症状があります。
健身院での治療法
当院では疎通経気(経絡の流れをよくして気を開通する)を治療原則として、足の厥陰肝経、少陽胆経にあるツボを中心に鍼治療を行います。厥陰肝経にある期門、行間、蠡溝、少陽胆経に属する陽陵泉のほか、胸の中心部にある膻中、阿是穴(痛みのある場所)などのツボです。 さらに、健身院が採用する平衡鍼灸学独特のツボである胸痛穴(前腕部)も加えます。こうしたツボから毎回3〜4穴を選び、瀉法といって刺激がやや強めの鍼の打ち方をします。打った鍼は20〜30分そのまま置きます。
肝気横逆のあるときは心兪、肝兪という背中にあるツボを加えての治療になります。疼痛が慢性的な場合は、背中にある挟脊穴に鍼を打ったうえで灸を据えます。原因がよくわからない肋間神経痛にお悩みの方は、お早めに当院にご相談ください。