肘痛(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)

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テニス肘、ゴルフ肘、野球肘が治ります!

テニス肘、ゴルフ肘、野球肘…傷めた場所によって呼び方が違いますが、肘の痛みにお悩みの方は多いと思います。この肘痛には、中国伝統の針灸治療が極めて効果的です。健身院ではキャリア37年の専門家が肘痛のタイプを判断し、どの経絡(気の通り道)に属する病証かを見極めたうえで治療にあたります。基本は電気鍼と灸の併用ですが、ツボの選定や刺鍼法(鍼の刺し方)など、患者様お一人お一人の症状に合わせた最良にして最高の治療を行なっています。数回の治療で治るケースが多いので、ぜひ一度ご相談ください。

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「肘痛」とは…

一言に肘痛といってもいろいろあります。西洋医学でいう上腕骨外側上髁炎、いわゆる「テニス肘」ですね。他に上腕骨内側上髁炎=「ゴルフ肘」、あるいは「野球肘」などがあります。要するに炎症を起こす場所が違うのですが、中国医学では総称して「肘労」と呼びます。原因は主に筋脈の慢性的な損傷で、損傷が長引くと局部の気血の流れが滞って、脈絡が不通になり、痛みが生じます。肘の外側には手の三陽経脈(=気の通り道)が通っているため、この不調が痛みの原因だと考えられます。

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健身院における肘痛の診断法

肘痛の患者様がいらっしゃった場合、私たちはまず以下の三つの肘痛のどのタイプに入るのかを判断します。

(1)上腕骨外側髁炎ーいわゆる「テニス肘」です。一般的に肘関節の外側上部がゆっくりと痛みだします。放置しておくと、多くの場合、痛みは上腕や前腕に広がっていきます。例えばタオルを絞る、雨戸を開け閉めする、ドアのノブを回す、フライパンを持つ、あるいは辞書などの重い本を持ち上げるなどするときに鋭い痛みを感じます。上腕骨外側部分を押すと痛みを感じますが、皮膚は赤くならず、肘関節の運動そのものにはそれほど不自由がなく、普段は痛みもありません。

(2)上腕骨内側上髁炎ー「ゴルフ肘」と呼ぶ方が通りがいいですね。肘関節の外側の下方に疼痛、圧痛が出ます。スイングをしたとき、ことにダブった場合の利き腕の肘の内側に出る痛みが特徴です。肘関節の運動には不自由がなく、とりたてて疼痛もありません。

(3)「野球肘」ー肘関節が痛み、運動をしたときに特に激しい疼痛を覚えます。なかには前腕にまで痛みが広がったと訴える患者様もいらっしゃいます。問診でスポーツ歴をお尋ねするほか、X線検査やCT等で関節の破壊の程度を確認することができます。

中国の医学理論では、肘の関節の外側の上の方、つまり上腕骨外側上髁から肘の橈側手根伸筋の起始部にかけて疼痛、圧痛を感じる場合、手の陽明経という経絡の問題だと考えます。同様に肘関節の外下方部、すなわち上腕骨の内側上髁周辺に疼痛や圧痛がある場合は、手の太陽経の病証、尺骨肘頭部にはっきりした圧痛がある時は、手の少陽経に起因していると考えます。このようにどの経絡(気の通り道)に属する病なのかを見極めることを「弁経」と呼び、 それによって治療法を変えます。器質の変異の有無を中心に診断する西洋医学とは全く違う、数千年の経験則に基づいた中国医学に特有の考え方です。

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健身院の肘痛治療

健身院に肘痛の患者様がいらっしゃると、前に記した疾病のタイプ別の判断(「弁病」と呼びます)、そして経絡への帰属を明らかにする「弁経」を行なって症状を分析し、そのうえで最善の治療法を採用します。テニス肘、ゴルフ肘、野球肘のいずれにせよ肘痛の治療方針は「舒筋活絡止痛」。鍼・灸による治療効果は抜群で、外科手術をしないで治す保守療法としては、他に比べて優れていると自負しています。健身院では同じ鍼療法でも、患者様の状態によって治療法を変えています。テクニカルな説明は(専門的に過ぎるので)省かせていただきますが、透刺法、囲刺法、多針斉刺法など様々な手法を使い分け、長年の経験を活かして、刺鍼の角度や深さ、ツボの選び方を決めます。電気鍼と灸を一緒に使うことで、お一人お一人の患者様に、最良にして最高の治療を行なうことができます。

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健身院での治療実例

治療実例─1

患者57才男性、会社員

病名テニス肘

症状左肘の痛み。最近3ヶ月間、手を使う仕事をしたせいで、利き腕の左の肘が徐々に痛くなり、この一週間は、あまりの痛さに、手で物が持てなくなったといいます。3日前、整形外科でブロック注射の治療を受けましたが、痛みはその後も変わりません。

診察と治療経過:患者様が来院されたとき、左肘関節の外上部(上腕骨外側上髁部)に圧痛があり、前腕を力を入れてまわそうとすると、強い肘の痛みを感じます。拳を握れませんでしたが、肘関節の動き自体は特に不自由は見られません。上腕骨外側上髁炎、いわゆるテニス肘と診断しました。(「テニス肘」といっても、必ずしもテニスが原因で起きるとは限りません。)阿是穴、曲池、手三里、肘髎、合谷等のツボを選んで治療することにしました。鍼を刺すことで響きにも似た鍼感を得た後、中国医学でいう瀉法(機能の亢進を抑えて、過剰な物質を取り除く治療)を行い、鍼を30分間刺したままにしておきます。 鍼を抜いた後には「隔姜灸」を施しました。毎日1回、全6回の治療で完治しました。

治療実例─2

患者50歳女性、主婦

病名ゴルフ肘

症状右肘の痛み。ゴルフを半年前から習い始めました。最近一週間ほど右肘と腕がだるく、痛みも感じ始めたといいます。

診断と治療経過: 触診したところ患者様の右肘の内側(上腕骨内側上髁部)に押すと痛むポイントがあり、前腕内側の筋肉がやや硬めです。 肘関節自体の運動障害はありません。診断は上腕骨内側上髁炎、ゴルフ肘です。曲澤、小海、少海、内渓、阿是穴などのツボを選び、刺針気を得た後、30分間鍼を刺したままにしておきます。このケースでも、抜針後に灸を行いました。毎日1回、全部で3回の治療で痛みが完全になくなりました。