糖尿病は中国鍼灸・健身院へ

 

 

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鍼治療で深刻な合併症を未然に防ぎます

糖尿病は血糖値が正常範囲を超えた状態で、食生活の乱れ、運動不足、肥満などが続くとすい臓の機能が低下して発症します。糖尿病にかかると、神経障害、網膜症、腎症などの合併症が起きやすくなります。治療法としては、インスリンなどの薬物療法のほか食事療法と運動療法が知られていますが、中国では、食事療法、運動療法と組み合わせた鍼灸治療が盛んに行われています。当院では、糖尿病の治療に通常使われるツボに加え、中国最新の「平衡鍼灸学」に基づく独自のツボを使って効果的な治療をします。

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糖尿病発症のメカニズム

食事で体内に取り込まれた糖質は、ブドウ糖に分解されて、血流によって全身に運ばれます。ブドウ糖を体内で利用・貯蔵するためには、すい臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンが必要ですが、このインスリンが量的に不足したり、働きが悪くなったりすると、血糖値を正常に保てなくなり、糖尿病を発症します。糖尿病に罹ると 合併症の発生頻度が高くなるのが問題で、神経障害、網膜症、腎症の三つの慢性疾患を「糖尿病の三大合併症」と呼んでいます。

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糖尿病の症状

・のどが渇きやすく、尿が大量に出る

血液中に含まれる大量のブドウ糖を排出するため、尿の量が増え、体内の水分が失われます。そのため、のどが渇きやすくなります。

・体がだるく、疲れやすい

インスリンの働きが悪いためブドウ糖をエネルギーに変換できず、そのため活力不足で体がだるくなります。

・いくら食べても空腹、あるいは痩せる

ブドウ糖が正常に利用されないため、いくら食べても空腹感を拭えません。糖尿病が悪化するとエネルギーが常に不足状態となり、体重が急激に減ってしまいます。

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糖尿病の深刻な合併症

糖分が多く含まれたドロドロの血液は、栄養素を毛細血管の隅々にまで送ることができず、さまざまな障害を引き起こします。特に神経障害、網膜症、腎症は三大合併症と呼ばれています。

【糖尿病性神経障害】

高血糖によって末梢神経が侵され、知覚神経や自律神経に障害が起こり、手足の感覚が鈍くなったり麻痺したりします。 排尿障害や下痢・便秘、顔面神経麻痺などが起きる場合もあります。

【糖尿病網膜症】

ドロドロの血液によって、 網膜の毛細血管が詰まったり、損傷を受けるなどして起きる病気です。 視力が低下し、悪化した場合は失明することもあります。

【糖尿病性腎症】

高血糖の状態が長期間続くと、毛細血管の塊である腎臓では細かな血管が損傷を受け、 網の目が破れたり詰まったりして、老廃物の濾過ができなくなってしまいます。 腎不全に至ると人工透析が必要になります。

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鍼灸による糖尿病治療

糖尿病の治療でまず優先すべきは、前項で書いた深刻な合併症を起こす前に病気の進行を食い止めることです。糖尿病の治療は食事制限(低カロリー食)と運動療法を基本に薬剤を組み合わせ、血糖をコントロールするのが一般的ですが、中国では薬剤の代わりに鍼灸を組み合わせる治療が盛んに行われています。

 

中国では、はるか昔から糖尿病の鍼灸治療が行なわれてきました。古典医書にも、原因、症状、合併症と治療法がこと細かく記されています。それらの医書には、糖尿病は症状によって「三消」に分けられると記載されています。

 

【上消】

「上消」は心肺の周辺、横隔膜より上の部分をさしていう言葉です。情志失調(精神的調和がが失われる)、五志過極(喜怒哀楽が激しすぎる)、心火過旺(心に熱がこもる)、消灼肺陰(肺で陰陽のバランスが崩れる)などの症状が生じるとされています。

 

【中消】

「中消」は胃腸あたりをさす言葉です。恣食肥甘(高カロリー、甘いものを好む)、醇酒厚味(濃い味を好み、飲酒過多)、などの生活習慣を原因として、脾胃積熱(脾と胃に熱が溜まり)、化燥傷津(熱によって体液が消耗される)、などの症状が現れます。

 

【下消】

「下消」は腎、膀胱あたりをさします。腎陰素虚(腎の陰陽のバランスが崩れる)、煩労太過(心労が多い)、恣情縦欲(私生活が乱れすぎ)、などの特徴があります。病後には腎陰欠損(腎の陰が弱まる)が現れます。

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健身院の治療原則

当院では、 中国伝統の鍼灸術に西洋医学の神経学の成果を採り入れた「平衡鍼灸学」を用いて糖尿病に苦しむ患者様の治療にあたります。「上消」の場合は心と肺の治療を中心に、「中消」のときは脾と胃、「下消」では肝と腎を主に治療します。

鍼治療に使うツボは、唐の時代に孫思邈によって著された古典医書「千金要方」「千金翼方」に糖尿病に特効があるツボとして記されている胃管下兪のほか、肺兪、脾兪、三陰交などを使います。さらに平衡鍼灸学特有のツボである降糖穴を用いて効果を高めています。

また、のどの渇きが顕著な患者様には廉泉というツボを追加、空腹感を訴える患者様には中脘のツボ、視力の衰えを訴える患者様には養老と光明を追加するなど、それぞれの患者様の症状に合わせて最も適切と思われるツボを選んでいます。こうした配穴(ツボの組み合わせ方)が治療効果を大きく左右するのです。