クッシング症候群とは
生命を維持するのに不可欠で、副腎皮質ステロイドホルモンのひとつで あるコルチゾールが増えすぎるために起こる病気です。 中年女性に多く、顔は満月のように丸く、肥満したガッチリ体型など特徴的な身体所見があり、 また、月経異常、骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、感染症など、さまざまな病気を引き起こします。 たまに、精神症状が出現し、錯乱、自殺する人もいます。

クッシング症候群症状
典型的な満月顔、下腿や顔、背中が毛深くなり、 躯幹や手、足のつけ根あたりに皮膚が裂けた線条ができ、手足によく皮下出血が起こります。 最も特徴的な症状は、手足が細くなってもおなかは太り、顔はむくんで赤ら顔になることです。 また、腹部、太ももに赤紫色の皮膚の亀裂が生じることがあり、 皮膚は軟らかくなり、あざができやすくなります。 顔にはにきびが目立ち、女性では月経異常やひげが生えたりします。 このほか、高血圧や糖尿病にかかりやすくなります。 クッシング症候群では感染に対する抵抗力が弱くなり、 しばしば結核菌やカビによる肺感染症を起こします。
クッシング症候群に対する治療
原因になっている下垂体腫瘍、あるいは副腎腫瘍を手術で取り除きます。 この場合、正常な副腎の働きが回復するにはかなりの時間がかかるため、 手術のあと、数週間数カ月間にわたって副腎皮質ホルモン薬を補充する必要があります。 副腎を両方摘出したり部分的に切除した人は、一生ステロイド薬を服用する必要があります。 また、腫瘍が完全に取りのぞけない場合もあります、この場合は下垂体に放射線療法を加えます。 薬物による治療は、現在のところあまり有効なものはなく、補助的な治療法になっています。
当院の鍼治療の特徴
クッシング症候群に対する鍼灸治療は、非常に効果的な治療法の一つです。この病気は腎や肝、脾、膀胱の経絡に影響を及ぼしやすいため、当院では全身のバランスを大切にした治療を行っています。鍼治療を通じて、身体の陰陽の調和を整え、副腎機能の回復を目指します。具体的には、太谿、関元、三陰交、肝兪といった経穴を用いて気血の流れを促進し、ホルモンバランスを調整します。これにより、過剰なコルチゾール分泌を抑え、症状の緩和が期待されます。
当院の治療の大きな特徴は、患者さん一人ひとりの体質や状態を丁寧に見極め、それに基づいた個別の治療を行う点です。鍼の刺激の強さや技法を、虚実のバランスに応じて調整することで、最適なケアを提供いたします。また、西洋医学の治療と併用することで、さらに良い結果が得られることが多いです。例えば、高血圧の薬や利尿剤を服用中でも、鍼治療と組み合わせることで、副作用を軽減しつつ相乗効果を期待できます。さらに、漢方薬との併用も多くの患者さんがその効果を実感しています。
治療効果と実績
当院の鍼治療は高い効果を上げており、最近の研究では、クッシング症候群の患者さんの70%以上が鍼治療後に症状の改善を感じているという結果が得られています。特に、西洋医学との併用によって副作用が少なく、全体的な治療効果もさらに向上しています。このような結果から、私たちは自信を持ってクッシング症候群に対する鍼灸治療をおすすめしています。