長引く咳・痰に中医鍼灸
「咳と痰が何か月も続いている」「朝になると痰がからむ」「風邪をひくと咳だけが長引く」「以前より息切れしやすくなった」――このような症状はありませんか。
気管支の表面は粘液で覆われており、吸い込んだ異物などをとらえて外へ排出する働きをしています。痰は気道内の分泌物などを排出するもので、咳はそれを外へ出すための重要な防御反応です。
慢性気管支炎は、古典的には「痰を伴う咳が1年のうち3か月以上あり、それが2年以上続き、ほかに原因となる病気がない状態」と定義されてきました。
ただし、長引く咳や痰にはCOPD、喘息、気管支拡張症、感染症などさまざまな原因があります。喫煙歴がある方や息切れを伴う方では、呼吸器内科で呼吸機能検査を受けることが重要です。
中国鍼灸・健身院では、医療機関での診断・治療を尊重しながら、一人ひとりの咳・痰・息苦しさ・疲労などを確認し、中医学の弁証に基づいて、通常の鍼、症状に応じた電気鍼や灸を組み合わせて施術します。
慢性気管支炎に対する鍼灸治療については、中国でも臨床研究が行われています。2015年に中国・広西中医薬大学第一附属病院の楊瑞春氏らが発表した臨床研究では、慢性気管支炎に対する鍼灸治療の有効率が94.6%と報告されています。
当院では、こうした中国での臨床研究や長年の臨床経験も参考にしながら、一人ひとりの咳・痰・息苦しさ・疲労などを確認し、中医学の弁証に基づいて、通常の鍼、症状に応じた電気鍼や灸を組み合わせて施術します。

このようなお悩みはありませんか?
- 咳や痰が長期間続いている
- 特に朝に咳や痰が多い
- 風邪の後に咳だけが長引く
- 痰がからんですっきりしない
- 以前より息切れしやすくなった
- 咳のため夜眠りにくい
- 咳や痰とともに疲れやすさを感じる
- 呼吸器内科の治療と鍼灸を併用したい
慢性気管支炎とは
のどから肺へ空気を運ぶ通り道が気管・気管支です。気管支は肺の中で枝分かれし、細い気道へと続いていきます。
気道に慢性的な炎症が起こると、粘液の分泌が増え、痰が出やすくなります。それを外へ排出するために咳も増えます。
慢性気管支炎は、古典的には痰を伴う咳が1年のうち3か月以上あり、それが2年以上続く状態とされています。ただし、喘息、気管支拡張症、結核、肺がんなど、咳や痰を起こすほかの病気を除外することが重要です。
主な症状
- 長引く咳
- 痰
- 朝に多い咳・痰
- 息切れ
- 喘鳴
- 風邪をひくと症状が悪化しやすい
- 運動時の呼吸のしづらさ
慢性気管支炎とCOPD
慢性気管支炎とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は同じものではありません。
COPDでは、主に長期間の喫煙などによって気道や肺が障害され、持続的な気流閉塞が起こります。慢性気管支炎のような咳・痰を伴う方もいますが、咳や痰が少なくてもCOPDの場合があります。
COPDかどうかを判断するには、症状だけでなくスパイロメトリーなどによる呼吸機能評価が重要です。
まず呼吸器内科で確認
慢性的な咳や痰は、慢性気管支炎だけで起こるものではありません。原因によって治療方法が異なるため、症状が長引いている場合は呼吸器内科での評価が大切です。
医療機関で確認したいこと
- 現在・過去の喫煙歴
- 咳や痰が続いている期間
- 痰の量・色・粘り
- 息切れの有無
- 喘鳴の有無
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 胸部X線・必要に応じたCT
- COPDの有無
- 喘息の有無
- 感染症の有無
- 気管支拡張症など他疾患の有無
早めの受診が必要な症状
- 急に息苦しさが強くなった
- 発熱とともに咳・痰が悪化した
- 痰に血が混じる
- 胸の痛みがある
- 呼吸が苦しく会話や歩行が難しい
- 痰の色や量が急に変わった
- 急激に体調が悪化した
このような場合は鍼灸より医療機関での診察を優先してください。
症状・体質を確認
当院では、呼吸器内科での診断や検査結果を確認したうえで、現在の咳・痰と全身状態を詳しくみていきます。
確認する主なポイント
- 咳が出やすい時間帯
- 咳の強さ・頻度
- 痰の量・色・粘り
- 息苦しさ・息切れ
- 風邪による悪化の有無
- 喫煙歴
- 呼吸器内科での診断・治療内容
- 食欲
- 疲労感
- 胃腸の状態
- 冷え
- 睡眠
- 舌・脈など中医学的な状態
中医学では同じ「咳嗽」でも、咳や痰の状態、全身症状、舌・脈などによって施術方針を変えます。
当院の慢性気管支炎鍼治療
中国医学では、咳を「咳嗽(がいそう)」として古くから治療の対象としてきました。現存する中国古代医学書『霊枢』にも、咳嗽と鍼灸に関する記述があります。
現代でも、中国や日本を含む各国で慢性呼吸器疾患に対する鍼灸の臨床研究が行われています。
その一つとして、2015年に中国・広西中医薬大学第一附属病院の楊瑞春氏らが発表した臨床研究では、慢性気管支炎に対する鍼灸治療の有効率が94.6%と報告されています。
この94.6%という数値は、その研究で設定された対象患者・治療方法・評価基準に基づく結果であり、すべての慢性気管支炎の患者様に同じ結果が得られることを示すものではありません。
当院では、呼吸器内科での薬物療法や吸入治療などを尊重しながら、咳、痰、息苦しさ、疲れやすさなどへの補完的な施術として中医鍼灸を行います。西洋医学の治療と鍼灸は互いに排除するものではなく、必要に応じて併用していくことが大切だと考えています。
治療で重視すること
- 呼吸器内科での診断・治療を確認する
- 咳と痰の性質を詳しく確認する
- 息苦しさや運動時の状態を確認する
- 舌・脈から中医学的な状態を見極める
- 全身の疲労・食欲・胃腸の状態も確認する
- 通常の鍼と電気鍼を症状に応じて使い分ける
- 灸を必要に応じて組み合わせる
- 一人ひとりに合わせて刺激量を調整する
院長・副院長は、慢性気管支炎など呼吸器症状を含む中国鍼灸の臨床に40年前後携わってきました。
電気鍼と灸を症状に合わせて
慢性気管支炎の施術では、一律に同じツボを使うのではなく、咳・痰の性質や全身状態を確認して選穴します。
当院では通常の鍼に加え、症状や体調に応じて電気鍼や灸を組み合わせることがあります。
1 肺兪(はいゆ)
背中にある肺の背部兪穴
【役割】
- 咳・痰など呼吸器症状への対応
- 中医学で肺の働きを整える
慢性的な咳や痰などで用いられる代表的なツボです。
2 膈兪(かくゆ)
背中にあるツボ
【役割】
- 胸部の状態に応じた調整
- 気血の巡りを整える
咳や胸部症状、全身状態を確認しながら使用します。
3 膻中(だんちゅう)
胸の中央にあるツボ
【役割】
- 胸部のつかえ感への対応
- 呼吸に伴う不快感への対応
呼吸器症状の状態を確認しながら用います。
4 天突(てんとつ)
首の付け根付近にあるツボ
【役割】
- 咳への対応
- のど周辺の不快感への対応
咳やのどの状態に応じて使用します。
5 列缺(れっけつ)
手首付近にある肺経のツボ
【役割】
- 咳への対応
- 肺経の調整
咳や呼吸器症状に古くから用いられてきたツボです。
中医学による「弁証」
中国医学では咳嗽を症状の現れ方によって分類し、治療方針を変えます。当院では特に、次のような状態を確認します。
外感型咳嗽
咳、のどの痒み、薄く白い痰、悪寒、ときに発熱などがみられる状態です。感染症が疑われる場合は、まず医療機関での診断を優先します。
内傷型咳嗽
咳が慢性的に続き、痰が粘る、食欲不振、疲れやすさなどを伴う状態です。脾・肺などの状態を中医学的に確認します。
治療の流れ
- Step 1
診断・検査内容を確認
慢性気管支炎、COPD、喘息など医療機関での診断や呼吸機能検査について確認します。
- Step 2
咳・痰を確認
咳が出る時間、痰の量・色・粘り、息切れなどを詳しく伺います。
- Step 3
四診で体質を確認
舌・脈、食欲、疲労、冷えなどから中医学的な状態を確認します。
- Step 4
中国鍼灸施術
肺兪、膈兪、膻中、天突、列缺などを状態に応じて選び、通常の鍼、電気鍼、灸などを組み合わせます。
- Step 5
施術後の確認
咳、痰、胸部の感覚、呼吸のしやすさなどを確認します。
- Step 6
経過を確認
医療機関での治療を継続しながら、症状の変化に合わせて施術内容・間隔を調整します。
日常生活で大切なこと
慢性気管支炎やCOPDでは、鍼灸だけでなく日常生活と呼吸器内科での治療が重要です。
- 喫煙している場合は禁煙を最優先する
- 処方された吸入薬・内服薬を医師の指示どおり使用する
- 感染症を避けるため手洗いなどを心がける
- 十分な睡眠と休養をとる
- 適度な水分をとる
- 無理のない範囲で身体活動を保つ
- 症状の急な悪化を我慢しない
- 定期的に呼吸器内科で状態を確認する
特に喫煙はCOPD・慢性気管支炎に関係する重要な危険因子です。現在喫煙している方は、禁煙について医療機関へ相談することをおすすめします。
薬や吸入治療を受けている場合は、症状が良くなっても自己判断で中止しないでください。
慢性気管支炎の治療実例
非喫煙者の女性で、咳・痰が長期間続いていたケースです。
- 治療実例─1
患者50歳女性・非喫煙者
診断慢性気管支炎
経過 3年前から毎年咳と痰を繰り返し、病院で慢性気管支炎と診断されていました。服薬で症状を抑えていましたが、2か月前に強い風邪をひき、抗菌薬で発熱は改善したものの、その後も咳と痰が毎日続いていました。
症状 咳・痰のほか、疲れやすさ、食欲低下、軟便がみられました。
中医評価 舌色は淡く、白く厚い舌苔がみられ、脈は中医学でいう「沈滑脈」でした。脾肺気虚を背景とした内傷咳嗽のうち「痰湿内阻」と考えました。
施術 脾兪、肺兪、膈兪、膻中、天突、列缺などを使用しました。通常の鍼に加え、この症例では火鍼を併用しました。
通院 週3回のペースで施術しました。
変化 2週間の施術後には咳と痰がかなり減少し、その後さらに2週間施術を続けたところ、咳・痰がみられなくなりました。食欲も戻り、本人からも体調が戻ってきたとのお話がありました。
※これは一例の治療経過であり、同じ期間・回数で同様の変化が得られることを保証するものではありません。火鍼を含め、使用する施術法は症状や体調によって異なります。
当院の慢性気管支炎治療の特徴
| お悩み | 中国鍼灸・健身院の対応 |
|---|---|
| 咳・痰が長く続いている | 病院での診断を確認し、咳・痰の性質を中医学的にも詳しくみます |
| 息切れも気になる | COPDなどの検査・治療状況を確認しながら補完的に施術します |
| 疲れや食欲低下もある | 呼吸器症状だけでなく、胃腸・疲労など全身状態も確認します |
| 薬物療法と併用したい | 呼吸器内科の治療を尊重しながら鍼灸を組み合わせます |
- 中医学の弁証と現代医学的な診断内容の両方を確認
- 咳・痰・息切れの状態を個別に評価
- 通常の鍼・電気鍼・灸を状態に応じて使用
- 一人ひとりに合わせて選穴・刺激量を調整
- 呼吸器内科での診断・薬物治療を尊重
- 症状だけでなく食欲・疲労・睡眠なども確認
通院回数・治療ペース
慢性気管支炎の症状や重症度、COPDの有無、医療機関での治療内容などは一人ひとり異なるため、通院回数を一律には決めていません。
初診時に咳・痰・息苦しさの程度や生活への影響を確認し、施術後の変化をみながら治療ペースを調整します。
上記の治療実例では週3回で施術しましたが、これはその患者様の状態に合わせた個別の治療計画です。すべての方に週3回をおすすめするものではありません。
※発熱、痰の急な増加・変色、強い息苦しさなどが出た場合は、鍼灸の回数を増やすのではなく呼吸器内科での診察を優先してください。
治療コース・料金
慢性気管支炎の治療では、咳・痰などの呼吸器症状だけでなく、疲労、食欲、睡眠など全身状態も確認するため、中医鍼灸の70分または90分(Standard)コースをおすすめしています。
- 初診料:2,200円(税込)
- 中医鍼灸コース(70分):
8,800円(税込) / 74,800円(10回券・15%OFF) - 中医鍼灸コース(90分):
10,800円(税込) / 91,800円(10回券・15%OFF)
詳しくは治療コース・料金表をご覧ください。
よくあるご質問
咳や痰が長く続けば慢性気管支炎ですか?
慢性気管支炎とCOPDは同じ病気ですか?
鍼灸で慢性気管支炎は治りますか?
病院の薬を飲みながら鍼灸を受けられますか?
電気鍼やお灸も行いますか?
どのくらい通えばよいですか?
参考文献・参考情報
- 日本呼吸器学会「COPD診断と治療のためのガイドライン2026 第7版」
- 日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025」
- 日本呼吸器学会「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」
- GOLD 2026 Report:Global Strategy for Prevention, Diagnosis and Management of COPD
- Acupuncture for dyspnea and breathing physiology in chronic respiratory diseases: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. 2024.
- Efficacy and Safety of Acupuncture in Managing COPD: An Overview of Systematic Reviews. 2024.
- 2015年 中国・広西中医薬大学第一附属病院 楊瑞春氏らによる慢性気管支炎の鍼灸治療に関する臨床研究(有効率94.6%と報告)
※鍼灸は呼吸器内科での診断・薬物療法・吸入治療などに代わるものではありません。慢性呼吸器疾患に対する鍼灸研究では症状やQOLへの補助効果が検討されていますが、エビデンスの質には限界があります。
慢性的な咳や痰にはさまざまな原因があります。特に喫煙歴がある方や息切れを伴う方は、まず呼吸器内科で原因を確認することが大切です。
中国鍼灸・健身院では、医療機関での診断・治療を尊重しながら、咳、痰、息苦しさ、疲労などを確認し、中医学の弁証に基づいて鍼・電気鍼・灸を状態に応じて組み合わせます。
病院での治療を続けながら中医鍼灸を補完的に取り入れたい方はご相談ください。
この記事の監修・執筆者

院長 朱錫龍(シュ・シロン)
鍼灸歴40年 /
上海中医薬大学卒 元主治医
はり師:第137701号 /
きゅう師:第137515号

副院長 姚依文(ヤオ・イーウェン)
鍼灸歴34年 /
南京中医薬大学大学院修了 医学博士
はり師:第115967号 /
きゅう師:第115884号
