クーラーの当たり方を間違えると顔面麻痺になりやすい。
残暑が続き、クーラーが手放せなくなる今日この頃。ご存じですか?実は、クーラーの当たり方一つ間違えていると、顔面神経麻痺になってしまうというケースがたくさんあります。 患者のB様が朝目が覚めて、洗面所で歯を磨き始めると水が口からこぼれ落ちるのことに驚き、慌てて病院へ行くと顔面神経麻痺と診断されました。 原因は前日暑かったせいで、家について冷房をガンガン入れた上に扇風機も入れました。汗をかいた上、急に冷気で冷やしたため、顔面神経の血管が急激な変化に耐え切れず痙攣し始めるのです。さらに顔面神経組織に浮腫が起こり、最終的に顔面神経麻痺が起こります。その場合は、まず病院へ行き、なるべく早く治療を始めた方が予後もよくなりす。 もし、顔面神経麻痺になってしまった場合、以下のことに注意しましょう ・夏は冷房のついた部屋にいるときはマスクをつけましょう。 ・顔洗うときは温かいお湯で洗いましょう。 ・眼帯をつけて、角膜を保護しましょう。 ・寝るときはクーラーの風が当たるのを避けましょう ・表情筋を鍛えましょう ・顔のマッサージをしましょう の顔面神経麻痺のマッサージについて、中医学独特なツボマッサージがあります。一つは地倉穴(口の横にあります)、もう一つは頬車穴(力を入れて歯をかみ合わせると筋肉の盛り上がるところに当る)。古典『玉龍歌』に“地倉頬車療口禍”と書いてあります。意味は口のゆがみは地倉と頬車で治す。この二つのツボをよく揉むことで口のゆがみを早く治すのを助けてくれます。 上の図を参考にして、ぜひ、試して見てはいかがでしょうか? ※施術効果には個人差があります。
0 コメント
中国鍼が日本の鍼より太いと思われている方が多いと 思いますが、太いとはいっても、日本で一般的に使われる鍼灸用の鍼と比較しての話で、病院で使う採血用の針の半分から1/3ぐらいの太さなのですが。一方、鍼の長さは同じ中国鍼でも様々です。 当院で最も多く使っているのは写真の一番下に写っている鍼で、把手部分を含めて8.5cmほどの長さです。一番上の鍼は11cmの長い鍼で、患者様の容態によって使うことがあります。真ん中の短い鍼は長さ5cm、主に顔面神経麻痺の治療に使っています。当院は開院以来、大変多くの顔面神経麻痺の患者様の治療を行なってきました。院長、副院長ともに中国・上海の大学病院で臨床経験を積んできており、顔面神経麻痺の鍼治療に関して言えば、日本では草分け的な存在だと自負しています。顔面神経麻痺の治療法としては最先端の「経筋透刺法」を全面的に導入しています。 透刺法は、一本の鍼で複数のツボを刺激する刺鍼法です。そのため顔面神経麻痺用の短い鍼は使わず、ほとんどの場合、通常と同じ長さ8.5cmの鍼を使用しています。透刺法は中国の古典医書にも記載されている古くからある手法ですが、現代になって急速に研究が進み、大いに発展しました。鍼を刺し入れる角度と方向によりいくつものやり方があります。皮膚に沿って浅く鍼を入れる方法もあれば、通常より長めの鍼を使ってツボとツボを貫通するように鍼を打つ方法などもあります。あらゆる疾患に使える技ではありませんが、熟練した施術者が行えば顔面神経麻痺などに高い効果を発揮することが知られています。 当院ではこの透刺法のなかでも、同時に三つ以上のツボを刺激したり、二つのツボを逆方向に二本の鍼を打って貫き刺激量を増やすなど、より高度な技術である経筋透刺法を駆使して顔面神経麻痺の治療を行ないます。 何度も書いてきたことですが、顔面神経麻痺の鍼治療については診断技術と鍼の手技(鍼を刺す方向や刺激量)が治療効果に大きな影響を与えます。一見して同様の治療を行なったからといって同じ結果にはつながらないのが現実です。顔面神経麻痺にお悩みの方はぜひ技術と経験の当院におまかせください。 当院には、顔面神経麻痺の患者様が大変多くいらっしゃいますが、今回は、ヘルペス(帯状疱疹)を患ったのがきっかけとなって顔面神経麻痺に罹った実例をご紹介します。30代女性のケースで、専門的には「ラムゼイハント型顔面麻痺」と呼ばれるケースです。 この方が異常に気がついたのは、耳に激しい痛みを感じたからです。触ってみると、耳の周辺に水疱ができていました。夜のことだったので、翌日病院に行こうと思ったといいます。ところが朝起きると、歯磨きをするとき水が口からこぼれるようになっていました。鏡を見ると、自分でわかるほど口が歪んでいます。さらに、目を閉じることもできません。慌てて病院に行くと、帯状疱疹による顔面神経麻痺と診断されて、そのまま入院しました。10日間入院しましたが、退院するときも麻痺の症状はよくなっていなかったので、別の鍼灸院を受診し5回治療をしましたが、あまり変化は見られませんでした。当院に見えたのは発症してから20日後のことです。病院では手術を勧められましたが、リスクや後遺症を考えて手術はしないことにしたというお話でした。 当院に来院された時は、涙目で、口が歪んでおり、耳の強い痛みを訴えていらっしゃいました。舌を見せていただくと色が赤くなっており、表面の苔は薄い黄色を呈しています。耳たぶの周囲に帯状疱疹による水疱があり、強い痛みがあることからラムゼイハント型顔面麻痺と診断しました。 ラムゼイハント型顔面麻痺は、単純ヘルペスウイルスによる「ベル麻痺」に比べると治りが悪く、治った場合も後遺症を残す確率が大きいことで知られています。耳鳴り、難聴、めまいなどの症状が合併する場合も多いようです。中国医学の見地からいうと、顔にある「陽明経」「少陽経」等と呼ばれる気の通り道の流れが滞り、「風熱の邪気」に侵されることにより、経絡(気の通り道)と筋肉の栄養が失なわれて、発症します。そのため、治療方針として、①疎通経絡=経絡の流れをよくする②活血祓風=邪気を追い出して血流を改善③濡養経筋=元気を失った経絡と筋肉を気血で潤わせるこの三つを目的に鍼を打つこととしました。ツボは主に「陽明経」、補佐的に「少陽経」に属するものを使います。麻痺の部位により微妙に鍼の打ち方を変えることで、治りを早くするよう心がけました。 10回の治療を1クールとして、2クール連続して鍼治療を行い、その結果、顔の麻痺はほとんど回復し、日常生活では全くわからなくなりました。ご本人には、手術をしないでよかったと大変喜んでいただきました。顔面神経麻痺は鍼灸院選びが大切です。 ※施術効果には個人差があります。 最近、急激に冷え込んだせいでしょうか、顔面神経麻痺で来院される患者さんが増えてきました。きょうは顔の左右両側で二度、顔面経麻痺を発症した男性のケースを書いてみます。
先月2日からお通いの50代の男性です。この患者様が最初に顔面神経麻痺を発症したのは2年前で、顔の右側の麻痺で来院され、そのときは当院の鍼治療で完治しました。それが今度は左側が発症したのです。今回もベル麻痺ですが、病院で顔面神経機能評価システムによる重症度検査では右健側が100%に対して、左側はわずか20%で高度麻痺となります。 発症から2日目に当院にいらっしゃったのですぐに鍼治療を始めました。 治療初日は目が閉じられず、涙が止まらない状態で、口もかなりゆがんでいました。それが治療を始めて5回目で涙が止まり、食事も普通に食べられるようになりました。10回目で目を閉じられるようになり、口も少し動くようになりました。頬を膨らませることができて、耳の後ろの痛み、顔面神経麻痺に伴う肩こりも軽減されてきました。現在までに15回の治療を行ない、完治を目指しています。 顔面神経麻痺のなかでも「ベル麻痺」は、一度治ったあとに再発することがあります。再発率はおよそ8%と言われていますが、この患者様のように左右が逆になっての発症が多いのが特徴です。もともと顔面神経麻痺の発症は体内に潜んでいるウイルスが活性化し、環境からくるストレスや感情面でのストレスが引き金となって起きるものです。 中国医学でいうところの「冷気」に晒されて肝気鬱血を起こしたり、気血不和の状態になったりすることで症状が顕れてくるのです。この患者様の場合は糖尿病が持病で、糖尿病の方はそうでない方に比べて顔面神経麻痺を起こしやすい傾向があるようです。ベル麻痺の患者様でお心当たりのある方は、完治したといっても気を抜かず、日頃からできるだけストレスを遠ざけるよう心がけてください。 ※施術効果には個人差があります。 夏の終わり頃、季節の変わり目にまた、顔面麻痺が増えるものです。今日は去年の9月上旬にいっらした患者様の症例をご紹介したいと思います。
患者様:40代男性 症 状:左顔面神経麻痺初めて来院されたときは、左の目を全く閉じることができない状態でした。右の目が普通ですが、左目は涙目になっています。麻痺のある左側の筋肉が健康な右側に引っ張られるため、左の口の角がたれ下がっていました。 ある朝起きると、顔の左半分が動かないことに気がついたのだそうです。水を飲んでも口の端から零れ落ちてしまいます。 さっそく病院に行くと「顔面神経麻痺」と診断され、すぐに入院することになりました。病院での治療は主としてステロイド剤の点滴だったようです。入院中にインターネットで鍼治療が有効と知り、病院から抜け出して当院にきたというお話でした。 仕事はデスクワークとのことで、溜まりに溜まったストレスが引き金となって、顔面神経麻痺を発症したようです。病院での治療と鍼治療を並行して受診したいとの意向で、入院中の病院を毎日抜け出して当院に通われました。 この病気を中国医学では「口眼歪斜病」と呼びます。文字通り口や目が歪む病気で、疲れが溜まっているときに冷たい風などの邪気(悪い気)に侵されると、気血不和(体内を巡る気と血液の流れが滞る状態)になり、発症すると考えられています。 治療としては、「地倉」と頬車、「陽白」と「魚腰」などのツボに透刺鍼を打つことによって主に体内の邪気を取り除き、 血流をよくすることで、詰まった経絡(気の通り道)を開きます。 この患者さんの場合、病院を退院後も当院での治療を継続し、3回目の治療あたりから顔の筋肉を多少動かせるようになるなど 徐々に変化が現れ始めました。7回目の治療が終わった後に10日間の出張があり、その後の治療では、疲れのためか症状が少し揺り戻した感じがありました。その後、目を閉じることができるようになり、意識して額に皺を寄せる動きもできるようになりました。また、口元を丸めることもできるようになり、めでたく完治しました。 ※施術効果には個人差があります。 鍼灸治療というと、一般的に肩こり、腰痛などのイメージが強いようですが、実は多くの神経症状にも効果を発揮します。当院では23年前の開院以来、顔面神経麻痺の治療に力を入れてきました。顔面神経麻痺には大きくいって二種類あり、片側の顔の筋肉がコントロールできなくなるベル麻痺と耳や耳の穴に水ぶくれ、かさぶたを伴うハント症候群です。ベル麻痺は長いあいだ原因不明といわれてきましたが、近年の研究によって、顔面神経の奥に潜伏していた単純ヘルペスウィルスが、激しい寒さに晒されたり過労やストレスに見舞われたりすることで、異常増殖して起こるらしいことがわかってきました。
今回は単純ヘルペスウィルスによる左顔面神経麻痺(ベル麻痺)のケースをご紹介します。 1ヶ月前から当院に通っていらっしゃる38歳の女性で、当初は左眼が完全には閉じず、笑うことが難しく、もちろん話もしにくい状態でした。左耳の裏に痛みあり、ときどき左側の耳に音が異常に大きく聞こえるといいます。来院されたのは発症から2週間後のことでした。病院でステロイド、メチコパールなどの薬を処方され、神経的な症状は少し改善されたものの、麻痺が依然としてひどいので、知り合いから紹介されて当院を訪ねて来られました。この患者さんの場合、最近新しい職場に移ったばかりとのことでやはりストレスがあったのでしょう、免疫力が低下してヘルペスウイルスが増殖したようです。舌を拝見したところ、中医学でいう「舌質赤・苔薄黄」が現れており、「脈浮」「風熱」の症状があるところから、おそらく気血の流れが悪くなって顔の筋肉に栄養がいきわたらなくなり、顔面神経麻痺を発症したものと考えられました。 治療は、顔面と顔面神経の出所である耳の裏側に加え、手や足のツボにも鍼を打つ方針で行ないました。麻痺の状態を見ながら、毎回微妙に鍼の打つ角度や深さを変えることにしました。10回の治療(1クール)でおよそ7割が治癒したと判断、現在は完全回復に向けて通院していただいています。 ※施術効果には個人差があります。 |
カテゴリ
すべて
アーカイブ
3月 2023
|