自律神経は文字通りに人の意思ではコントロールが出来なく、交感神経と
副交感神経の二つに分けられます。 両者が健康の時、絶妙なバランスを保ってくれているから、気づくことが あまりないです。 ストレスで自律神経のバランスが崩れる時、 やっと我々人間のこの普段に隠れている友達がどれほど重要だと気付くのです。 実際我々人間の誰もが一生の内、少なくとも一度は自律神経失調症になると 言われています。自律神経失調症になると軽い症状では寝つきが ちょっと悪くなる、肩凝り、お腹が便秘或いは下痢になるなどの症状があります。 徐々にひどくなると不眠、食欲不振、頭痛、肩や首や背中の深部まで凝りが起こり、 吐き気あるいは動悸や不整脈も出てきます。もっとひどくなるとほかの病気にもなりかねないのです。 仕事や失恋などのストレスで自律神経失調になると高血圧病、心臓病など各種 現代文明病になりやすいです。交感神経が過度に興奮すると血管を収縮させ、 血圧が高くなり,血糖も上昇します。 副交感神経が興奮状態になると気管支が収縮し(喘息)、消化液の分泌が 多くなります(胃、十二指腸潰瘍など)。 自律神経失調症の早い段階では薬に頼らないで、早めに鍼灸治療を受けることを お勧めます。ほとんどの患者様は一回の治療ですぐに不眠症が改善され肩凝りや 背部痛や頭痛などの身体的な症状が緩和できます。 自律神経の中枢は脳(おもに間脳)にあり、交感神経節はおもに首と背中に あり、副交感神経節は頭蓋や仙骨部あたりにあります。 自律神経失調症の治療のポイントは患者様の一番辛い症状を治すことです。 一般的には不眠、肩凝り、頭痛などがまず挙げられます。 西洋医学的な観点からも首肩の深部の凝り、頭痛などの解消で脳への栄養や酸素が 十分におくられると間脳の自律神経に対して調整するホルモンが分泌され、 交感神経と副交感神経の伝達物資のバランスが正常に戻ることができます。 鍼灸治療の時、よく使うツボ: 四神聡(頭にあります):不眠症、めまい、頭痛に効く。 天柱(後頭部に頭を支える二本の太い筋肉の上端)、肩外腧(肩部)、心腧、肝腧、脾腧、 腎腧(背中):肩凝り、背部痛、動悸、消化不良などに効く。 次翏(仙骨部):腰痛、生理不順などに効く。 神門(手首の尺骨側)、三陰交(内踝の上方):不眠に効くツボ。 命門、関元:冷え症に効く。 阿是穴(押すと痛いところ):痛いところに針やマッサージをすると痛みが軽減されます、 お腹の痛みも同じです。
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現代社会で特に増えている病気のひとつが、自律神経失調症です。
更年期を迎えた女性は、 ホルモンの分泌、心理、性格の3つの要因が重なりあって 複雑な症状(=更年期障害)を呈することが多いのですが、 なかにはこの年代に特有の自律神経の不調に起因する症状が現れることもあります。 今回は中高年女性の自律神経失調症についてお話しましょう。 まず自律神経について簡単に説明しますね。 自律神経は脳から出て交感神経と副交感神経に分かれて全身に分布し、 体が適切に機能するように信号を送る大切な役割を果たしています。 例えば運動をする時には 全身に多くの酸素を供給するため 交感神経が心拍数を上げるよう指令を出し、 酸素量が充分になれば 替わって副交感神経が心拍数を下げる指令を出します。 このように自分の意思とは関係なく、 自律神経は絶えず働きながら私たちの健康を支えているのです。 さて、私たち中高年女性は、日常的に多くのストレスにさらされて生活しています。 自分自身の問題、 夫や子どもなど家族の問題、 さらには両親の介護…。 核家族化によって 社会との関わりが希薄になり、 こうしたストレスの相談をする相手がいないことも多く、 内に溜め込むことによってストレスの影響はますます大きくなっていきます。 自律神経失調症の引き金をひくのもこうしたストレスであることが珍しくありません。 自律神経失調症が「現代病」といわれる理由がここにあります。 女性は更年期を迎えると月経周期が乱れ、 女性ホルモンが減少します。 性周期を作る機能は「脳幹」と呼ばれる部分にあり、 自律神経の源と極めて近いため、 両者は密接に連動します。 性周期の乱れから 自律神経調節が乱れやすくなったところに様々なストレスが重なることで、 自律神経失調症になりやすいのです。 もうひとつ重要なことは、 大脳半球で起こる精神神経症状… 例えば不安やうつなどが、脳幹部の自律神経調節機能に影響を及ぼすことです。 不安やうつ状態が 自律神経失調症を引き起こすこともしばしばです。 このような場合には、 比較的重症の更年期障害となることが少なくありません。 自律神経失調症になると、 顔のほてり、発汗、動悸などが自分の意識とは無関係に起こります。 自律神経が順調なときには、 ストレス等の緊急事態が発生するとまず交感神経が反応し、 続いて副交感神経が ゆっくり体を元の状態に戻すよう働きます。 それが自律神経のバランスが崩れると、 交感神経が亢進(緊張)するばかりで副交感神経が充分に機能せず、 その結果として様々な症状が起きるのです。 交感神経の亢進(緊張)による症状は、 イライラ、動悸、息切れ、不眠、 頭痛、めまい、冷え性、肩こりなどです。 副交感神経の働きが抑制されて起こる症状は 食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、無気力、集中力の低下など。 ただ、人によっては交感神経亢進(緊張)による症状が強かったり、 副交感神経の抑制による症状が強かったり、 あるいは両方が重なったりすることもあり、症状の現われ方が違ってきます。 当院では、鍼灸による自律神経失調症の治療を行なっています。 治療の基本方針として中国医学でいう「標本兼治」を大切にしています。 「標」とは現在あるつらい症状のこと、 (不眠、頭痛、動悸など) 「本」とは病気の根本的な原因のことで、 「標本兼治」とは、最もつらい症状と病気の根本的な原因を同時に治療することです。 自律神経失調症は症状の現れ方が人によってかなり違うため、 それぞれの患者様の状態に応じた治療が必要となります。 更年期に伴う自律神経失調症の場合は、 同じ女性である私が治療にあたりますので、お気軽にご相談下さい。 橈骨(とうこつ)とは、
肘と手首をつなぐ2本の骨のうち、 親指側にある骨のことをいいます。 骨折や不自然な姿勢でのうたた寝によって、 この橈骨に沿って走る神経に 異常をきたすのが橈骨神経麻痺です。 典型的な症状は、手首に力が入らなくなって腕がだらんと垂れてしまい、 指を伸ばせなくなるというものです。 きょうは完治したはずの橈骨神経麻痺が逆の腕に再発した 患者さんのケースをご紹介しましょう。 当初の発症は二年前で、左の腕でした。 発症してから一ヶ月後に当院にみえました。 症状がなかなか改善せず、仕事や日常生活に不便をきたすということで、 鍼による治療をご希望でした。 この方の場合は 1回目から治療の効果が現われ始め、 6回目で手首が上がるようになり、 13回、一ヶ月ほどの治療で完治しました。 ところが、今度は右腕に症状が出たのです。 手を握ると手首を水平まで持ち上げることができない状態で、 前回の経験もあるので、発症の翌日、 すぐに当院に鍼治療にいらっしゃいました。 両手が橈骨神経麻痺になることは稀ですが、 この方はお酒が好きで、 酔ってよくうたた寝をするそうです。 腕枕など長時間無理な姿勢をとると 橈骨神経を圧迫してしまいます。 治療方針は経絡と気血の流れをよくすることを最優先に考えました。 しかし、最初の2回は、 症状にさほどの変化は見られませんでした。 そこで3回目からはツボを変え、 「合谷」と「外関」というツボを 組み合わせて治療することにしました。 3回目の治療終わったところで、手首を少し上げることができるようになりました。 6回目の治療で 手首を40度ほど曲げられるまでに改善し、 11回の治療で完治しました。 治療期間は今回もおよそ一ヶ月でした。 橈骨神経麻痺を予防するには、 酒に酔って腕枕で眠るなど長時間無理な姿勢をとることを避ける必要があります。 鍼治療によって比較的短い期間で治すことができる病気ですが、 回復が遅いと日常生活に不便をきたすことになりかねません。 異常を感じたらお早めにご相談ください。 ※施術効果には個人差があります。 |
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3月 2023
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