最近、がん治療についての
ニュースを目にすることが増えました。 私も家族にがん患者がいるので、他人事ではありません。 最近の傾向としては、 「がんの特効薬」に関するニュースが増えているように思います。 かつて、 がんは「死を覚悟しなければならない病気」でした。 黒澤明監督が 名作「生きる」(1952年)で描いたように、 がんになることは患者にとって 「遠からぬ将来の死」を突きつけられることに他なりませんでした。 それがいま、 がんは「長くつきあっていく病気」に変わりました。 「がん宣告」の是非が議論されていたのは それほど遠い昔の話ではないのですが、 日本人のおよそ半分ががんになるといわれる昨今では信じられないような気がします。 自らも末期がんの患者である 石弘之一橋大学名誉教授が、 先日、抗がん剤治療(化学療法)の特徴を 次のようにまとめていらっしゃいました。 (以下、週刊朝日からの引用です。) 1)がんを根治するのでなく、 単に患者の延命を図るだけである。 2)いずれ抗がん剤は 薬剤耐性のために効かなくなる。 3)抗がん剤は すべての患者に効くわけでなく、 その効果は個体差によって異なる。 4)同様に、副作用も すべての患者に 一様に現れるわけではない。 …全くその通りだと思います。 しかし、最近では、「がんを根治する薬」の開発がニュースになっています。 なんらかの手段で 薬をがん細胞のすぐ近くにまで送り込み、 周辺の健康な細胞に悪影響を与えることなく (つまり、副作用がほとんどなく) がん細胞だけを退治しようという薬の開発を 世界中の研究機関が急いでいるのです。 遠くない将来、がんは「治る病気」に変わるのかもしれませんね。 逆に言えば、それまでは、 抗がん剤の副作用と戦いながら がんと付き合っていくしかありません。 あまり知られてはいませんが、 抗がん剤の副作用の緩和には鍼が有効です。 当院でも手がけておりますので、 お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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日本はいまや
世界有数の「がん大国」だと言われます。 国民の二人に一人が癌になり、 三人に一人が癌で亡くなっているそうです。 その一方で、 次々に新薬が開発されるなどして、 がんは昔のように「死」と直結する病気ではなくなりました。 がんを抱えながらも、 それなりに「健やか」に生活することが 可能になってきています。 みなさんのご家族やお友だちのなかにも、 がんを抱えながらお過ごしの方が いらっしゃるのではないでしょうか。 こうした「がんとともに生きる」時代に、 私たち鍼灸師はどんなお手伝いができるのかと考えます。 あらかじめ申し上げておきますが、 残念ながら、 鍼治療で「がんを治す」ことはできません。 しかし、抗がん治療の副作用を緩和するためには鍼治療が有効です。 化学療法による吐き気や食欲不振、 造血細胞の減少などに対しては、 東洋医学による治療法が効果を上げることが少なくありません。 比較的よく知られているのが 漢方薬や様々な健康食品、免疫療法などで、 最も広く用いられているのは 霊芝、舞茸、アガリクス等のキノコ類です。 一方で化学療法や放射線療法などに伴う 吐き気や下痢、あるいは疼痛の軽減には 鍼灸が有効であることが知られており、 結果的に患者の余命の長期化に役立つことも稀ではありません。 実は、WHO(世界保健機関)の報告でも、 「治験を通して鍼が効果的な治療だと証明されてきた症状」の筆頭に、 「放射線療法または化学療法による副作用」が挙げられています。 西洋医学の研究論文を読むと、 鍼治療の効果に懐疑的な研究者でも 「抗がん治療に伴う副作用の軽減効果」は 認めていたりするので驚かされます。 私も実際に、 抗がん剤点滴後の胃のもたれ、 むかつきに苦しむ患者様に鍼治療を施し、 症状が楽になって食欲が出てきたと 感謝されたことがあります。 がんに限ったことではありませんが、 西洋医学による治療を中心に据えながらも、 個々の患者の状態に応じて 鍼治療などを効果的に組み合わせる、 言わば「オーダーメイドの医療」がいま注目を集めています。 日本が超高齢化社会に変わっていくなか、 西洋医学と 鍼などの補完・代替医療を統合することで、 両者の特性を最大限に活かし、 一人一人の患者に最も適切な医療を提供することが求められています。 |
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1 月 2021
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