ここ数日すっかり暖かくなって、
我が家の近所でも 様々な花が咲き始めています。 桜の開花ももうすぐですね。 中国医学では、 春は「養生」の季節だと考えます。 つまり、健康を養い、 病気にならない丈夫な体を作るためには、 春が最も大切な時期だということです。 これからいよいよ春本番、 養生を図る食生活の4つのポイントをご紹介しましょう。 1.「陽を養う」 春はだんだん気温が上昇し、 それにつれて 人体の「陽の気」が盛んになる時期です。 体内の「陽」を養うためには、温性の飲食、 体を潤す食事を心がけるのがいいでしょう。 体を温める温性の食べ物としては ソバやハトムギ、緑豆、 リンゴ、ゴマ、くるみなど、 飲み物では豆乳が挙げられます。 一方、体を潤すためにはハスやユリ根、 ナズナ、梨など涼性の食物をとることです。 こうした涼性の食物は 煮て食べるといっそう効果的です。 2.「脾を養う」 中国医学は 「陰陽五行思想」に基づいた体系です。 五行とは「木」「火」「土」「金」「水」、 順番こそ違いますが日本の曜日の呼び方とも一致しますね。 この五行はそれぞれ 臓器の働きにも割り振られています。 血と津液(唾液や胃液、涙など)の 運行を司る機能は「肝」と呼ばれ、 五行の「木」に属するとされています。 一方、飲食物の消化吸収を司る「脾」は「土」です。 五行は季節にもあって、 春は「木」、つまり「肝」と同じです。 そのため「木克土」といって、 肝の気が盛んになる春は 肝の機能が脾より強くなり、 「脾胃虚弱(胃腸の消化機能低下)」の症状が出やすいのです。 さらに春に酸味のある食物を食べすぎると、 肝の陽気が極度に旺盛になるため 注意が必要です。 そのためには酸味やアク、渋みの強い食べ物をできるだけ避け、 ホウレン草、内臓肉、刺激の強い調味料等は控えるのが賢明です。 意識して温性食材を多く食べるように心がけ (温性食物は上記のほか南瓜、人参、生姜、羊肉などです)、 胃を守るために暖かい牛乳や蜂蜜を摂るのがいいでしょう。 3.「腎を養う」 春は気候が爽やかなので、 腎機能が低下した患者が回復を図るのによい季節です。 この時期には、 強腎と固腎(精力をつける)の役割を持った薬膳料理が 初期の腎機能障害の治療するのに効果的だとされています。 腎機能に不安のある方には、さっぱりとした甘味のある食べ物をお奨めします。 例えばマンゴスチン、レンコン、キュウリ、ウリなどです。 4.「熱を養う」 最後に、まだ寒さが残っている早春の食べ物にも触れておきましょう。 寒さは甲状腺を刺激し、 機能亢進を引き起こして、 熱量を消耗させることで体の耐性や抵抗力を減退させます。 そのため、早春の時期の食べ物は熱量の高いものを中心とすべきです。 米や麦など穀類のほか、おこわやちまきなど「もち米」を使った加工食品、 大豆、落花生、くるみ、すりゴマ等を食べてエネルギーを補いましょう。
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3月 2023
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