男性、51才、元会社員。 主訴:ペニスなど下腹部の痛みと違和感。 現病歴:約5ヶ月前からペニス、下腹部などに痛みが出るようになりました。 泌尿器科で前立腺炎と診断され、薬(セルニルドンなど)や前立腺マッサージなどで 少しよくなったのですが、その後また悪くなって、ペニスと下腹部の痛みと違和感が 昼も夜も酷くて、苦痛と心配で夜も眠れなくなりました。 心療内科で睡眠薬と抗鬱剤も処方され、今は前立腺炎の薬と全6種類の薬を 飲んでいるそうです。それでも症状が改善されず、仕事まで休まれてしまいました。 その後ネットで色々調べて、鍼灸は前立腺炎に効くのを初めて知りました。 当院での鍼治療の経過: 患者様が来院した時、かなり元気がなくて、途方に暮れていました。 問診では、陰茎、会陰部、下腹部痛みが強く、昼も夜も、20分も座れない、 夜睡眠薬飲んでも夜中途中に起きてしまう、それからなかなか寝れません。 トイレも近い、時々頭が痛くなる。 腹診で下腹部に張り感がある。手足が冷たい感じでした。舌診で見ると舌尖は赤く、 脈は弦でした。この患者様は前立腺炎を罹患して以来、長く薬をのみましたが痛みなどが 治らくて更に酷くなり、自律神経失調にまで落ち入っていました。 鍼治療としては患者様の全身症状に対応して行く必要があります。 治療開始から最初の5回位は痛みがあまり変わりませんでした。また、患者様も 痛みに対して凄く敏感になり、はりの刺激まで怖くなったと言われました。 ここで改めて患者様を励まし、通院を続けてもらうことができました。 8回目に患者が来院された時、ようやく痛みが少しだが軽くなったとおっしゃり、 表情も少し明るくなりました。それ以降、治療のたびに諸症状が改善されて、 15回目ぐらいから夜は起きずに朝まで寝れるようになったそうです。 現在も3クール目の通院中です。 多くの前立腺炎の患者さまが、患ってからかなり時間が経って、はり治療にいらっしゃるので、 もっと早い段階で鍼治療を受けられれば、 少しでも患者様を楽にしてあげられるのではと常々思います。
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1 月 2021
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