主人が北海道土産として一夜干しの柳葉魚(シシャモ)を買ってきてくれました。
柳葉魚は秋が深まると一斉に川を遡上する習性があります。 何万匹もの魚が一日で川を上り、産卵するのです。 そのため、釧路では、昔は「柳葉魚休暇」というのがあって、 柳葉魚が川を上り始めるとサイレンが鳴って工場や会社、商店が臨時休業となり、 みんなでバケツを持って川に柳葉魚をすくいに行ったそうです。 何ともおおらかな話ですね。 さて、居酒屋などのメニューでよく見かけるシシャモは、大半はホンモノの柳葉魚ではありません。 カラフトシシャモという別種で、川には上らず海で産卵をする魚です。 ホンモノの柳葉魚は、世界中で北海道太平洋側のいくつかの川にしか上らないそうです。 私たち家族は一夜干しで半乾き状態の柳葉魚を弱火でさっと炙って食べるのが好きで、 それは一年でもこの季節にしか食べられない本当の〝旬の味〟です。 味は淡泊ななかにも上品でかすかな甘みが際立っていて、 焼いたときに出る煙が香ばしく、生臭さがまるでありません。 カラカラに乾いた柳葉魚に比べて、一夜干しの方が上品な味わいで上まわると思います。 写真は左側の小さめの4匹が牝で、右の比較的大きな6匹が牡です。 柳葉魚というと一般にお腹に卵を抱えた「子持ち柳葉魚」が好まれますが、我が家では専ら牡が人気です。 卵に栄養をとられてしまう牝より、牡の方が身の旨味が勝っているように思います。 主人が買ってきたのも牡が30匹に牝10匹。 牝はまだ卵が成熟していない若い魚でしたが、それでもやっぱり牡の方がおいしいと思いました。 牡の方が値段も安いのでお得ですね。 ちなみに我が家は釧路の和商市場の決まった店のものを毎年買っています。 一串(10匹)が牡は700円、 牝は本来は800円のところを700円にまけてもらったそうです。 干した柳葉魚は頭から尻尾まで余すことなく食べることができるので、栄養的には大変優れた魚です。 カルシウムがたっぷりなのは当然ですが、 コレステロールを減らす役割が注目されているDHAもふんだんに含まれています。 また、健康にも美容にも役立つミネラル、亜鉛も豊富です。 この季節、釧路や帯広、あるいは鵡川などの柳葉魚の産地を訪ねる機会がある方は、 チャンスがあればぜひ一夜干しの柳葉魚を食べてみてくださいね。 私のおすすめは、安くておいしい牡です!
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3月 2023
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