「ハナサキガニ」ってご存知ですか?
根室の花咲港あたりでよく採れたことから「花咲蟹」。 東北海道では根強い人気があるカニですが、 全国的な知名度はタラバガニや毛ガニ、 地域によって「越前ガニ」「松葉ガニ」とも呼ばれるズワイガニに劣ります。 冷凍してしまうと風味が落ちてしまうので、 産地の東北海道以外では、 なかなかおいしく食べられません。 そんなこともあって あまり知られていないと思うのですが、 タラバガニの仲間(クモ科)で 味はジューシーなうえにミルキーなので、 私は大好きです。 いまはロシア産のものが出回っており、 釧路では一年中姿が見られますが、 本場の根室産は8月下旬から9月にかけてのこの季節が旬です。 私は年に何度か釧路を訪れます。 釧路は、主人が若い頃に 仕事の関係で暮らしていた街で、 主人に連れられて何度か来るうちに食べ物がおいしいこの街が次第に好きになりました。 釧路の水産市場としては和商市場が全国的に有名です。 好きな刺身を買ってきてご飯に乗せて食べる「勝手丼」が名物で、 勝手丼を目当てにやって来る中国人観光客も少なくありません。 そういう意味では知名度はいまや「世界的」かもしれませんね。 店先には、ハナサキガニのみならず、 タラバや毛ガニもずらりと並んでいます。 でも、私たちは、 カニは和商の隣にある「たんちょう市場」で買うことにしています。 「たんちょう市場」は 主として地元の人向けの市場ですが、 そこに「カニ吉」というカニ専門店があり、 いけすのなかに生きたカニを置いています。 大きさや値段が適当なカニを選んで、 30分ほど待つとその場で茹でてくれます。 茹で立てだから当然味もよく、 値段も(味や大きさを考えれば)和商市場で買うより安いようです。 今回は4千円ほどの花咲ガニを一杯買い、 (カニは一杯、二杯と数えます) 主人と二人で分けあって食べました。 身が詰っていて、 身上である水気もたっぷりあって味は濃厚、 とても美味しくいただきました。 カニのお腹には 通称「ふんどし」といわれる部分があって、 その中の肉がぷりぷりしていてまたおいしいのです。 茹で上がるのを待つあいだに 和商市場を回って、いろいろの魚を物色するのも楽しみの一つです。 私は釧路でタコの頭の刺身や カスベ(エイの仲間)の味を知りましたよ! 主人によれば、 以前は花咲ガニはとても安く手に入り、 一杯千円ほどでたっぷり食べられたのが、 獲り過ぎて資源が減り、 高くなってしまったそうです。 主人のいうのは30年昔の話ですが(笑)、 そういえば私の知る範囲でも魚の値段は高くなっています。 つい数年前まで一枚500円から600円で買えた羅臼産のホッケが、 (ホッケは知床半島の羅臼町で獲れたものが一番とされています) 2千円もしたりしてとても手が出ません。 サンマも脂が乗った大きなものが 1本100円以下で買えたのが、 今年は少しスリムなもので200円しました。 脂の乗りはいまいちながらさすがに新鮮で、これも美味しくいただきましたが…。 おいしい魚をお腹いっぱいに食べられるのは幸せですが、 獲り過ぎれば当然減ってしまい、 値段も高くなってしまいます。 いままで 海の魚をほとんど食べなかった中国人が 豊かになると同時に 海産物の味を覚えたこともあって、 北海道の近海はいまや国際的な魚の争奪戦になっているようです。 おいしい魚をいつまでも食べるためには、 それぞれの国民が 「足るを知る」バランスが必要ですね。 今回は資源問題が少し気になった旅でした。
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3月 2023
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