日本の人口は
2008年の1億2808万人をピークに 減少をし始めました。 2014年のデータで1億2708万人ですから、 6年間で ちょうど100万人減ったことになります。 人口が減っていく一方で、 増えているのが高齢者です。 内閣府の高齢社会白書によると、 この年、65歳以上の高齢者人口は過去最高の3300万人。 それが翌年には3392万人ですから、 1年で100万人近く高齢者が増えた計算です。 全人口に占める割合(高齢化率)は26.7%、 既に4人に1人以上がお年寄りになっているんですね。 高齢化率は2060年には40%近くになると予想されていますから、 日本社会の高齢化は もう後戻りできないところまで来ています。 さて、超高齢化社会では、 いくつもの慢性疾患を抱えながら、 それなりに「元気」に暮らしているお年寄りが増えます。 先ごろ亡くなられた 日野原重明先生が名付け親だという、 いわゆる「生活習慣病」を抱えた患者さんが多くなるのです。 日本には昔から 「一病息災」という言葉がありますが、 (最近では「多病息災」ともいうそうです) 老化に伴う様々な衰え、 病気や障害があるからといって、 一概に「病人」だと決めつけてしまうのでは実態に合いません。 実は私も最近知ったのですが、 「健康」という言葉は 江戸時代末の造語らしいですね。 一般に広めたのは、 一万円札の福沢諭吉だそうです。 その当時から「健康」とは病気でないことだと考えられがちだったのですが、 これから長生きするのが当たり前の時代には 病気と共存しながら元気で暮らすことが重要になります。 超高齢化社会にふさわしい新しい「健康」の姿が求められているのだと思います。 そこで見直されているのが、 気血の円滑な流れや 心身のバランスを重視する東洋医学の健康観です。 なかでも人体に備わった 自然治癒力を手助けする鍼灸は、 薬物療法などと比べて副作用が小さく、 病気や障害を抱えながらもまだまだ先の長い人生を「健康」に暮らしたいという 現代の高齢者の生活の質を向上させるためにお役に立つことができると思います。 こういったからといって 私たち鍼灸師は西洋医学を否定したり、 対抗したりしているわけではありません。 お互いに協力して 足らない部分を補いあいながら、 これからの超高齢化社会に貢献ができればと考えています。 きょうは柄にもなく、 ちょっと理屈っぽいことを書いてみました。
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3月 2023
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