猛暑の夏がようやく終わり、東京でも最近は肌寒く感じられる日さえあります。
接近中の台風24号(大型で非常に強い台風だというので心配です)が過ぎると、 一気に秋らしくなるのかもしれませんね。 さて、毎年、この季節になると増えるのが、顔面神経麻痺の患者様です。 確かな理由はまだよく判らないのですが、 2000年に開業して以来、この季節に患者様が増えるのは一貫した傾向です。 日によって寒暖の差が大きいため、 急激に冷やされ血管のけいれんが起きやすくなるのかもしれません。 きょうは典型的なケースということで、 一昨年9月末にいらっしゃった患者様の治療実例をご紹介したいと思います。 患者:30代男性 症状:左顔面神経麻痺(ベル麻痺) 初めて来院されたときは、 左の目を閉じることができない状態でした。 右の目は普通ですが、 左目は涙目になっています。 麻痺している左顔面の筋肉が健康な右の方に引っ張られるため、 左の口の角がたれ下がっていました。 朝起きてみると、顔の左半分が動かないことに気づいたそうです。 水を飲もうとしても口の端からこぼれ落ちてしまいます。 慌てて病院に行くと「顔面神経麻痺」と診断され、すぐに入院することになりました。 病院での治療は、 ステロイド剤の点滴が中心だったそうです。 入院中にインターネットで顔面神経麻痺には鍼治療が有効だと知り、 病院から抜け出して当院にいらっしゃったというお話でした。 仕事はIT関係とのことで、 気温の変動が大きな季節の変わり目に、 溜まりに溜まったストレスが引き金となって顔面神経麻痺を発症したようです。 患者様ご本人としては病院での治療と鍼治療を並行して受診したいとの意向で、 入院している病院を毎日抜け出して、 当院に通っていらっしゃいました。 中国医学では顔面神経麻痺を「口眼歪斜病」と呼びます。 文字通り口や目がゆがむ病気で、 疲れが溜まっているときに冷たい風など邪気(悪い気)に侵されると、 気血不和(体内を巡る気と血液の流れが滞る状態)になり、 発症すると考えられています。 当院での治療は、 「地倉」や「頬車」「陽白」「魚腰」などのツボに透刺鍼を打つことによって、 体内の邪気を取り除いて血流を改善、 詰まった経絡(気の通り道)を開きます。 この患者様の場合は、 病院を退院後も当院での治療を継続され、 3回目の治療あたりから、 顔の筋肉を多少動かせるようになるなど徐々に変化が現われ始めました。 7回目の治療の終了後に 10日間のインド出張があり、 その後の治療では、疲れのためか症状が少し揺り戻した感じがありました。 しかし、それも順調に回復して、 開いたままだった左目を閉じることができるようになり、 意識して額にしわを寄せる動きもできるようになりました。 口元を丸めることもできるようになり、 全部で20回余りの治療で完治しました。 ※施術効果には個人差があります。
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3月 2023
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