1.冷え症はなぜ女性に多い?
冷え症が女性に多く発症する理由については諸説あります。 男性に比べて筋肉量が少ないので血流の量が乏しくなりがちなこと、 貧血や低血圧の方が多い影響、 月経や出産などによってホルモンのバランスが崩れやすいとの指摘もあります。 また、ダイエットや朝食を抜くことで食生活が乱れ、 たんぱく質や脂肪、ビタミンなどの摂取不足から栄養失調状態になるとも考えられます。 もっとも、最近は、男性の冷え症患者も増加傾向にあると言われています。 いずれにせよ、腹痛や頭痛、特に女性の場合は生理不順などにもつながりかねず、 冷え症ぐらい…と甘くみるのは禁物です。 2.冷え症は「病気」ではない? 多くの方が苦しんでいる冷え症ですが、実は西洋医学では「病気」として扱われません。 器質的変化(臓器の病変など)がなく、 バイタル(血圧・脈拍等)の変化も伴わないことが多いからです。 客観的なデータで確認できない主観的な症状として「不定愁訴」と呼ばれたり、 あるいは自律神経失調症の一種とみなされることが多いようです。 つまり、冷え症は「病院では治らない病気」なのです。 しかし、東洋医学(中国医学)では、 冷え症を病気、それも重大な疾患につながりかねないものだと考え治療します。 鍼灸や漢方薬による治療は、 局所的な病変の治療というより、 トータルとして体の働きをよくすることで、症状を改善していこうというものです。 体が冷えやすい体質(冷え性)を改善して、 頭痛や生理不順などを起こさないようにするのが目的です。 そのため、冷え症の患者様のほとんどは 鍼や灸、漢方薬の治療を受けていらっしゃるのが現実です。 3.健身院の冷え症治療法 当院では、中国医学の原則にのっとり、 おいでになった患者様をまず以下の「四診」によって診察します。 ○望診 患者様の皮膚の色や顔の表情、 舌の状態などを目で見て判断する診察です。 ○聞診 患者様の体臭や口臭、声の調子や呼吸音など鼻で嗅ぎ、耳で聞いて判断をします。 ○問診 患者様のお話をじっくり伺うことで、 病状を正確に把握します。 ○切診 患者様の脈をとったり、 体に触れたりして病状を把握します。 こうした診断の後、中国伝統の「弁証論治」をもって患者様の症状から原因を探り、 冷え症であれば以下の三つのタイプに分け、治療方針を立てます。 御参考までに、治療に使用するツボのほか、それぞれに有効な漢方薬も挙げておきます。 1. 「血虚」による冷え 「血虚」とは、中国医学で血が足りない状態をいう言葉です。 こうしたタイプの冷え症の場合、症状は顔色が悪い、めまいがする、よく眠れないなど。 脈をとると弱く、無気力になりがちです。 治療法は鍼による刺激で血を補うほか、 血の生成に関わる脾の作用を活発にします。 治療に使うツボは肩甲骨野近くにある膈腧、その下にある肝腧、脾腧、 足の甲にある公孫などです。 眠りの浅い方には、特に手首内側にある神門というツボを使います。 漢方薬としては、当帰飲子、八珍湯、四物湯が有効です。 2. 「陽虚」による冷え 全身をめぐる「気」のうち、 体を暖める役割を持つ気が弱くなって、 冷えや寒さを感じやすくなる場合を「陽虚」と呼んでいます。 このタイプの冷え症は極度に寒がり、手足や体の冷え、尿量増加などの症状が現れます。 顔色が青白くなるのも特徴です。 これらの症状は体を温めることによって緩和することができます。 陽虚型の冷え症を治療するツボとしては、 へそ下にある気海、その下の関元、ひざ下の足三里などがあります。 また、神厥(へそ)への灸も効果的です。 漢方薬は、人参湯、真武湯などです。 3. 「気滞」による冷え 「気」の運行が停滞することによって現れる冷え症をいいます。 この型は「肝」と密接な関わりがあります。 肝は臓器の「肝臓」とは少し違う概念で、 全身に気を順調にめぐらせるのに重要な役割を果たすとされています。 この気の流れが停滞すると、 イライラする、怒りっぽくなる、憂鬱感など精神面にも影響し、 さらにゲップ、脇あたりの痛みが現れます。 治療は気をめぐらせることを目的に、檀中、内関、太蔣、陽陵泉などのツボを使います。 鍼の打ち方としては、通常より刺激を強めた「冩法」を使用します。 効果のある漢方薬は、四逆散、香蘇散です。 健身院の二人の鍼灸師はともに三十年前後のキャリアを持つベテランで、 本場・中国の病院での臨床経験もあります。 (中国では鍼灸治療は病院で行います。) それだけにこうした弁証論治から治療に至る中国医療の原則を熟知しておりますので、 どうぞお気軽に御相談くださいませ。 |
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